ハーベスターフル稼働/刈り置き増え品質低下
過剰収穫、伝票調整も
宮古本島でサトウキビを収穫しているハーベスターは天気に恵まれ好調に稼働している。8日に操業を開始した沖縄製糖宮古工場には22日までにハーベスターで刈り取った原料(キビ)は9500㌧搬入され、手刈りを含めた総搬入量2万4500㌧の約4割を占めた。好天は一方で、過剰収穫を生み出し品質に悪影響を及ぼしている。
沖糖の砂川玄悠専務によると、収穫してすぐに搬入する新鮮原料だと約90%見込める純糖率は87%程度に低下した。
砂川専務は「キビは刈り置きすると糖度が低下し重量も減る。原料の鮮度低下は工場だけでなく農家の損失にもなる」と指摘。その上で、同状況解消のために収穫は「原料員の指示に従って行うように」と呼び掛けた。
製糖工場は逆に雨が続くとハーベスターが止まり、ラインのスロー運転や操業停止を余儀なくされるケースがある。沖糖では現段階で、日量2000㌧を超えるフル操業が続く。ただ、今後の天候次第で1150㌶(全収穫面積の約6割)のハーベスター利用申込を消化できるかの不安要素がある。
沖糖管内のハーベスターは、14日から22日まで9日間大雨が降らず好調に稼働した。沖糖管内で稼働しているハーベスターは40台。下地川満の畑では23日、キビを刈り取って短く切り袋詰め作業をする小型ハーベスターが見られた。作業に携わる職員の一人は「今後も雨が降らず、順調に稼働してほしい」と願った。
会社勤めと兼業でキビを栽培している畑の持ち主の男性は「サラリーマンにとってハーベスターは助かる。手刈りだと収穫できるのはせいぜい0・5㌶。今期はハーベスター利用を前提に春植、株出を取り入れて1・5㌶に増やした」とハーベスターの効果を強調した。
宮古製糖城辺工場管内でもハーベスターは順調に稼働している。
ハーベスターは、農家の高齢化に伴う労働力不足緩和や収穫コストの低減を目的に1989年ごろから導入が始まった。