主要事業の推進へ/第2期下地市政きょう始動
地域間格差など課題
下地敏彦市長の2期目が25日に始動する。就任式が午前8時10分から平良庁舎で行われる。引き続き臨時庁議を開き、天然ガス開発や市総合庁舎、新図書館・公民館建設などの主要事業の推進や一括交付金の効果的活用など公約の実現に協力を求めるとみられる。少子高齢化対策や雇用対策、合併後の地域間格差など課題も多く、1期目以上に手腕が期待される。就任を前にマスコミのインタビューに答えた下地市長は「4年前の就任式で、肌着1枚になって取り組もうと呼び掛けた気持ちと全く同じ」と述べ、初心を忘れずに笑顔あふれる宮古島の建設にまい進する決意を表明した。
下地市長は3月2日に任期満了を迎える長濱政治副市長を再び副市長に就任させたい考えだ。「副市長の席を空白にすることはできない」と述べ、3月定例会の開会日程を通常ペースから1週間繰り上げ、先議案件として提案する考えを示した。
新中央図書館と公民館を、現宮古病院移転後の跡地に併設する計画については、総合事務局などと土地の貸借や譲渡で協議を進めるとし、2月1日にも公民館基本計画策定委員会を発足させることを明らかにした。
天然ガスの試掘が3月にも保良で開始される。下地市長は、試掘作業で埋蔵量やガスの品質などを分析するのに約1年はかかると予測。市の取り組みについては、2014年度にプロジェクトチームを発足させ、開発や雇用など利用価値を模索していく考えを示した。
県営広域公園整備に向けては、県が調査費を計上し場所選定を進めていると説明。「全ての市民が利便性の良い場所というイメージで考えている」と述べた。
公約の市総合庁舎建設計画については①庁舎が分散しており、市民が不便を被っている②庁舎の維持管理費が膨大-などを挙げ必要性を強調した。
そのほか公約には「ビッグプロジェクトの推進」として、総合社会福祉センター(仮称)やコンベンションホールの建設などが示されている。こういったいわゆる「箱物建設」の費用対効果について下地市長は「必ず必要というものや絶対に作らなければならないということに絞って進めていく」と語った。
市町村合併後、旧平良市と旧郡部との間に地域格差を訴える声については「都市部と旧郡部は産業構造が全然違う。農業を主体とした地域に都市型の施設を配備できるかという問題になる」と指摘。不便性の解消に努めながら、市全体でバランスの良い開発を進めていくとした。
下地 敏彦氏(しもじ・としひこ) 1945(昭和20)年12月10日生まれ。67歳。平良字下里出身。68年琉球大理工学部卒。同年琉球政府採用、98年県農林水産部次長、99年県宮古支庁長、2002年城辺町助役、06年県漁連会長などを歴任し、09年1月執行の宮古島市長選挙で初当選。2013年1月13日に告示された市長選で無投票再選を果たした。