肉用牛 臨時競りの決定先送り/県とJA、防疫を重視
「現段階ではリスク高い」
宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)問題で、県とJAは5日、那覇市のJA会館で県内家畜競りの臨時開催に向けて協議したが、結論には至らなかった。県内に口蹄疫を侵入させないよう防疫を重視、開催の決定を先送りした。JA沖縄中央会の赤嶺勇会長は「切羽詰まっている農家の苦しみも分かるが、他県、特に宮崎県の状況を見ながら判断していきたい」と述べ、生産農家に理解を求めた。
口蹄疫の侵入を防止するため、肉用牛を含む県内の家畜競りは5~6月と2カ月連続で中止となり、生産農家は大きな経済的損失を被っている。
このような事態を受けて県とJAが臨時競りの開催を検討。宮崎県えびの市の口蹄疫終息を踏まえて開催の可否を協議した。
ただ、防疫の観点から「現段階においてはリスクが高い」と判断した。宮崎県の口蹄疫対策をはじめ、牛の海上輸送の問題などを協議したが「もう少し様子を見るべきだ」(赤嶺会長)とする方向でまとまった。
赤嶺会長は「えびの市は終息したが宮崎県ではまだ広がっている現状がある。あとしばらくは様子を見ないといけない」と防疫の重要性を強調。ただ「そんなに長く(待つこと)はない。あとしばらく我慢してほしい」などと述べ、引き続き臨時競りの開催を検討していく意向を示した。
宮崎県えびの市の口蹄疫は終息したが、川南町などでは拡大しており、6月4日現在で271例目の感染疑似牛が確認されている。