子どもたちの潜在能力引き出す/宮古島市こども劇団
小学生らが伸び伸びと演技/3月公演に向け猛けいこ
将来、独立したこども劇団の設立を目指して、2011年からスタートした「宮古島市こども劇団」。現在41人の小・中・高校生が東京芸術座の演出家・杉本孝司氏の指導のもと、けいこに励んでいる。昨年、初の公演を成功させ、3月16日(土)には2回目の公演が行われる予定で、リトミックやボイストレーニング、ダンス指導など演劇につなげるための基礎的な集中力、思考力、判断力、創造、表現力などの習得にも余念がない。公演は昨年8月に上演した「ゆうたっちょの中学生絵日記」をさらに深化させる。1回目は中・高校生が中心だったが、今回は小学生の高学年を中心に取り組んでいる。
演劇を通して人格の形成を図り、他者との関わりや自己を客観視する力、社会性を理解する力などを身につけることをねらいに、宮古島市は児童生徒の劇団を創設した。また、潜在能力を引き出すことによって子どもたちの心の成長につなげることも目的の一つ。劇団として目指すものは、一過性の劇団発表にとどまることなく、演劇の真の魅力を理解しながら互いの目的意識を高め、自己実現を確認していく。将来は大人がサポートして継続した劇団運営ができるように自立した団体を目指す。
宮古島市の事業で市文化ホール(マティダ市民劇場)が取り組む劇団は、「演劇の表現力を身につけ、違う自分を発見しよう」と2011年6月にスタート、年間5回の表現力ワークショップを実施した。対象者は小学生から高校生まで、120人が応募した。翌年は設立記念第1回の立ち上げ公演ができるまでに成長、観客もアンケートで「宮古の子どもたちも、こんなに伸び伸びと自信に満ちた演技ができたことに驚き、誇らしくさえ思う」などという感想が寄せられた。
「ゆうたっちょの中学生絵日記」は、全国でも高い評価を受けている田中雄太さんの脚本で、自分をしっかり主張できるかっこいい姿に憧れながらも、空想でしかできない気弱な中学生ユウタの悩み多き学校生活を描く。演劇は、ミャークフツやクイチャーなどを取り入れた宮古島バージョンで上演され、観客はダンスやコミカルな演技を楽しみながら感動の世界に引き込まれた。
けいこは、毎週日曜日にリトミックとボイストレーニングを行い、月1回は演出家の杉本さんが来島して、演技の指導を行う。3月の公演は、主人公ユウタを鏡原小5年生の古謝竜樹君が演じ、国吉太陽君(久松小4年)、仲村理史君(東小4年)、加持惠達君(南小4年)らを中心に話が展開する。子どもたちは、「好きさーよ」「寝るどーや」など、普段の会話を自由に使いこなし、伸び伸びと演技に取り組んでいた。けいこの合間は、全員で集中力を磨くための「ジップ ザップ ボーイング」を楽しむなど、自発的にチームワークを確認していた。
指導陣は、リトミックが下地博子さん(ピアノ教室講師)、ボイストレーニングが大地緑さん(シャンソン歌手)、ダンス指導がシャー・アンゼさん(オリエンタルダンサー)