宮古島海中公園/観察施設が着工
観光客にターゲット/市「サンゴへの影響配慮」
2011年4月の供用開始を目指す、宮古島海中公園(仮称)の海中観察施設工事の起工式・安全祈願祭が28日、平良狩俣地区の建設地で行われた。施主である宮古島市の下地敏彦市長や施工業者、公園を運営する宮古島海業管理センターの関係者らが出席し、工事の安全を祈願した。
海中観察施設工事は、大米建設・南開建設・国盛建設特定建設工事共同企業体が、宮古島市と4億4520万円で請負契約を締結。施設の構造は鉄筋コンクリート造りで延べ床面積は観察施設が180平方㍍、通路が40㍍。工期は11年3月10日までとなっている。
起工式・安全祈願祭では、宮古神社の奥間寛次神主による神事が執り行われ、下地市長、市議会の下地明議長、設計を担当するホープ設計の高嶺哲夫代表取締役、施行業者を代表して大米建設の下地米蔵社長がくわ入れを行い、工事期間中の無事故を願った。
下地市長は「宮古の海はきれいで、これまでも観光客は海水浴を楽しんでいたが、海の中を実際に見せる施設がなかった。海の中の多様なサンゴや魚などを見てもらうことで、ますます観光客が来てくれることに期待しているし、地域活性化にもつながると思う」と海中公園の集客力に大きな期待を寄せる。工事に伴う環境への影響については「サンゴへの影響をできるだけ少なくし、自然の景観を残すなど十分に配慮していきたい」との思いを示した。
環境影響調査によると、海中観察施設設置工事によりサンゴ類や海浜植生の消滅の可能性などが指摘されている。それを受け市は、サンゴの移植や計画、工法の一部変更を決定。それにより、工事の影響を受けるとされている約8500群体のサンゴ類のうち、75%は影響を回避できるものの、残り25%については影響が出るとの考えを示している。
海中観察施設のほか、周辺には自然観察のための遊歩道や、雨天などでも海中が観察できるように水中照明やカメラを設置。浮き桟橋などの磯遊び施設の整備も予定している。総事業費は約9億円。