一括交付金、効果的活用へ/市議会3月定例会
「魅力ある事業創出」/下地市長が施政方針表明
宮古島市議会(平良隆議長)3月定例会は27日開会した。初日の本会議では、下地敏彦市長が2期目のスタートに当たる2013年度施政方針を表明した。市政運営の基本的な考え方として、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)の効果的活用などを掲げたほか、重点施策として自然・環境と共生する島づくりの推進、農林水産業及び観光産業の振興、医療福祉の充実と安心子育て支援の充実などに取り組む考えを示した。
下地市長は一括交付金の効果的活用について、将来に向けた基盤づくりのラストチャンスと位置付け。「『この10年が勝負』との強い決意の下、魅力ある事業の創出に努めていく」と表明した。
具体的には▽与那覇地区防災センター建設▽伊良部大橋橋詰広場での地域振興施設などの継続事業▽伊良部地区防災センター整備事業▽生鮮水産物流通条件不利性解消事業-などに着手する。
農業については後継者育成と農地の有効利用、生産性の向上を図る。
漁業は3漁協(宮古島、伊良部、池間)の統合を促進、組織の活性化を図るなど抜本的な改革を進める。
観光は「宮古らしさ」が実感できるメニューづくりを進めるとともに、観光施設の整備やイベントへの支援、誘致活動などを展開する。
下地市長は海洋資源や緑豊かな自然、地下水、天然ガスなど豊富な資源を紹介し「宝の島」と表現。その上で「これらの恵まれた自然資源との共生を実現し、誰もが安心して暮らし続けられる持続可能な社会の実現こそ、市政運営の究極の目標」と述べた。
重点施策には、住宅用太陽光発電の普及を進めるとともに、島全体でのエネルギー利用の効率化に向けたスマートコミュニティ実証事業を実施する。
サトウキビについては、反収増及び品質向上を図るため、健全無病な優良品種の農家への普及を促進するほか、緑肥及び有機質肥料による地力増進を進め、環境に優しい農業を推進する。
また、農家の経営安定を図るため、農業共済制度への加入を働きかける。
医療については、6月開院予定の宮古病院内に休日・夜間救急診療所を併設する。下地市長は「これにより、市民の利便性が向上するとともに宮古病院と診療所のスピーディーな連携による医療体制が整うことになる」と述べた。
子どもの医療費については、乳幼児から中学生までの医療費を引き続き助成。沖縄本島など島外の医療機関で治療を余儀なくされている難病患者に対し、新年度から新たに渡航費を助成し負担軽減を図る。
下地島空港については、地域振興と平和的利活用を促進するため①国際線就航の促進②災害時の緊急支援物資の備蓄拠点③国際的な航空機整備基地としての活用-を挙げ、今後とも県に要望していく考えを示した。
昨年、県から買い取った農地については、農業基盤整備事業などの早期導入に向け、農業振興地域への編入など条件整備を進める、
最後に下地市長は、「山積する行政課題の解決に向け改革の手を緩めることなく、市民とともに活力に溢れ平和で心豊かな島づくりを着実に進める」と述べ協力を求めた。