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行雲流水
2013年3月4日(月)23:06

「卒業式2012」(行雲流水)

 島崎藤村作詞の「惜別の歌」を小林旭が歌っている。遠き別れに耐えかねて、この高殿に登るかな、悲しむなかれわが友よ、旅の衣をととのえよ。2番は、別れが人の世の常なることを歌い、3番は、君がみどりの黒髪も、またいつか見んこの別れ、で結ぶ


▼どんなに交通機関が発達しても、ケータイで通信手段が便利になっても、別れの重さが厳粛であることに変わりはない。しかし、卒業生たちにとって、それは同時に、新しい世界への旅立ちである。3月1日、県立高等学校の卒業式が行われ、卒業生たちは高校時代を過ごした学びやを後にした

▼各校長は式辞で、肯定的な人生観を持って努力することの大切さや、他と共に生きていることの自覚を促すなど、餞の言葉を贈り、門出を祝福した。卒業生の言葉には、無償の愛で育ててくれた親や、教え導いてくれた先生方、共に励まし合い、友情を結んだ仲間たちへの感謝の気持ちがあふれていた

▼高校生活で彼らは、人や社会や自然について学び、専門の技術を磨き、生きる構えを築く。芸術や体育で情操を深め、心身を鍛え、豊かに生きる基礎を築いた。行事や部活には、声を和して歌う楽しさがあり、ボールを追う心身の躍動があった。はじける青春から沸きあがる歓声!

▼彼らが出て行く時代と社会には厳しいものがある。しかし、未来を切り開いていくのも彼らである。高校で学んだつぼみを美しく花咲かせてほしい

▼卒業生に贈る在校生のことばが掲げられていた。「いざ、輝ける未来へ、出発だ」

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