心一つに三線奏でる/「さんしんの日」で合同演奏会
宮古民謡保存協
宮古民謡保存協会(友利元誠会長)主催の「さんしんの日 大演奏会」は、JAおきなわ宮古地区本部2階大ホールで開かれた。同協会員や一般の三線愛好家ら約100人が参加。午後7時の時報に合わせ全員で一斉に「かじゃで風節」を演奏した。
同協会の演奏会は、一般にも参加を呼び掛け開催。子どもから大人まで、日ごろ三線教室などで学ぶ奏者が一堂に会した。
「さんしんの日」の特別番組を放送している民放ラジオ放送に合わせ、午後7時の時報と同時に「かじゃで風節」を奏でながら歌った。引き続き、「なりやまあやぐ」や「とうがにあやぐ」など宮古民謡を全員で演奏したほか、三線教室の代表らがステージに上がり腕前を披露した。
友利会長は「さんしんの日は、参加し互いに親睦を深めることが目的。三線を楽しんで」と呼び掛けた。
野村流保存会など
野村流古典音楽保存会宮古島支部(古波蔵峰子支部長)、野村安趙偲三弦音絆会(野村安宏会長)、琉球箏曲與陽会宮古島支部(下里恵支部長)の3団体は市内のレストランで演奏会を開いた。参加者らは、野村安趙を偲びながら、三線の伴奏に合わせて祝儀舞踊の「かぎやで風」などを高らかに歌い上げた。
安趙(1805~71年)は、市内でレストランを経営する野村安潤さんの先祖。琉球国王に仕え、王の命で三線の楽譜「工工四」を大衆向けに改良・編集した音楽家。
参加者らは、琉球放送の午後6時の時報に合わせて琉球古典民謡の「安波節」「恩納節」を披露。観客らは、息の合った歌・三線に大きな拍手を送った。
子どもたちは「てぃんさぐぬ花」や「なりやまあやぐ」「豊年の歌」などを斉唱。日ごろのけいこの成果を繰り広げた。
島袋本流紫の会神里美代子琉舞練場と同会前里サナエ琉舞練場が協力し、華やかな雰囲気を演出した。
古波蔵支部長は「宮古島に琉球古典音楽が根付いているのは野村家の元祖、野村安趙の影響が大きい。3団体で催したのは今回が初めて。最後まで歌・三線を楽しんでください」と述べた。
沖縄宮古民謡協
宮古民謡協
沖縄宮古民謡協会(天久勝義会長)と宮古民謡協会(川満健功会長)などは「とうがにあやぐ」歌碑建立除幕式をこの日に挙行するため、沖縄本島、本土から約70人の会員らが元島宮古を訪れた。会場のカママ嶺公園では午後1時の時報とともに会員らが一斉に「かぎやで風」を演奏した。
会場では琉球放送Iラジオの「ゆかる日、まさる日、さんしんの日」の番組実況中継が始まり、かぎやで風に続いて会員らが「とうがにあやぐ」を歌い上げた。
読谷村の実況メーン会場から総合司会の島袋千恵美さんの声が届くと、あやぐの音色をバックにして天久会長がラジオのインタビューに受け答えた。
天久会長は「宮古民謡の持つ、たくましさ、明るさ、厳しい島の環境にも負けない先人の心の豊かさが、この歌には込められている。電波にのせて全世界に発信されることをとてもうれしく思う」と述べた。