民泊のお母さんとの再会喜ぶ/本土学生が「里帰り」
修学旅行で家族同然の仲に/近畿圏在住の5人
「お母さん、おばあに会いに来た」-。高校の修学旅行のときに民泊した宮古島の農家の家に、今は大学生となった5人が帰ってきた。それぞれ宮古島での民泊を通じて知り合った農家のことが忘れられないという。今回の旅行も「里帰り」と称するほどだ。受け入れ農家も「家族同然の子どもたち。こうやって帰ってきてくれると本当にうれしい」と喜んでいる。
2009年11月に受け入れた松原敬子さん宅には髙橋満帆さんと松永有佳理さんが訪れた。当時は滋賀県立彦根東高の生徒だった。
2人は宮古島旅行のためにアルバイトで旅費を捻出。「ただお母さんに会いたくなったから」というのが来島の理由だ。「お母さんは何も変わっていなかった。元気そうで良かった」と少し照れくさそうに話し、久しぶりの再会を喜んだ。
松原さんは「高校生のときと比べて、お互いに気を使わないでもいいから気持ちは楽ですよね」と笑う。「何よりもこうやって帰ってきてくれるのがうれしい。彼氏ができて、結婚して、子どもができても宮古島に帰ってきてくれると思う」と話し、娘同然の2人に優しい視線を送った。
黒木隆文さん、小島航平さん、浅山大地さんは2011年1月に農家民泊を体験した。受け入れ農家は宮國良子さんだった。
3人とも「ただ、おばあに会いに行く」ために旅費は自分でためた。浅山さんは「民泊最後の日は泣いちゃいました」と当時を振り返り、「おばあが大好きだし、宮古島のことがとても気に入っているんです」と宮國さんとの再会を心待ちにしていた様子で話した。
黒木さん、小島さんも特に宮國さんに会う以外の旅行計画は何もない。「おばあは、あのときのままで元気そう。会えたことが何よりうれしい」と話した。
宮國さんは「うれしいの一言。この子たちのためならいくらお金がかかっても構わないと思えるほど。それほどうれしい」と手放しで歓迎し、家ではゴーヤーチャンプルーやソーキ汁など2年ぶりの宮古料理を振る舞っている。
今回の「里帰り」について、ぐすくべグリーンツーリズムさるかの会合同会社の事務局長を兼ねる松原さんは「民泊で育んだ交流は、これから先も続く」と話し、民泊した子どもたちの健やかな成長を願った。