戦跡の文化財指定を/砂川小6年生
「平和の尊さ後世に」/学習成果基に市教委に要請
砂川小6年生(担任・下地治人教諭)22人は13日、市教育委員会に「陸軍中飛行場戦闘指揮所跡」など五つの戦争遺跡(戦跡)を市の文化財に指定するよう要請した。戦跡調査や平和ガイド活動などの学習成果や市民へのアンケート結果などを踏まえたもので、児童たちは「平和の尊さを後世に伝えていくためにも戦跡を文化財に指定してほしい」と訴えた。
要請を受けた市教委は、児童たちが提出した「意見書」について審議し、市文化財審議委員会に諮問する考え。
児童たちは、昨年5月から西辺小や福嶺小の児童たちとの「合同戦跡巡り」や、保護者や教師を戦跡に案内し紹介する「平和ガイド」などを実施した。
市民の意見を反映し建設された埼玉県東松山市にある子育て支援センター「ソーレ」について民主主義を学んだり、二度と戦争を起こしてはならないという願いから沖縄陸軍病院(南風原町)を文化財にした平和主義についても学習した。
さらには市民を対象に「戦跡に関するアンケート」を実施した。
市役所城辺庁舎で行われた文化財指定についての意見報告会では、児童一人一人がこれまでの学習成果やアンケート結果などを紹介し、その感想などを報告。代表して平野麗雄君と源河千春さんが、戦跡の価値を提言し、文化財に指定するよう求める「意見書」を市生涯学習振興課の又吉察課長補佐兼文化財係長に手渡した。
又吉課長補佐は「皆さんの声を大事にして(文化財指定に向け)取り組んでいきたい」と話した。
新里二男校長は「とても分かりやすく報告した」と児童たちを褒め、市教委には「子どもたちが一生懸命考え、意見、提言したことを市の文化行政に生かせてくれれば大きな自信につながる」と語った。
児童たちが文化財に指定してほしいと要請した戦跡は▽陸軍中飛行場戦闘指揮所跡(上野野原)▽高澤義人歌碑(同)▽トーチカ(機関銃座)跡(同)▽忠魂碑(城辺福里)▽野原越納骨所(城辺下里添)-の5カ所。