平良港 耐震バースが着工
延長220㍍、大型船に対応
事業費47億円 17年春にも供用開始
平良港漲水地区に耐震構造の複合一貫輸送ターミナル(港湾施設)を整備する事業の起工式(主催・宮古島市、沖縄総合事務局平良港湾事務所)が16日、同港第3埠頭で行われた。第2、第3埠頭の間と、その西側水面を埋め立てて整備するターミナルの耐震岸壁の長さは220㍍。季節風が強い冬場の大型船舶の接岸に支障をきたしている課題にも対応した。総事業費は約47億円(国31億円、市16億円)。供用開始は、2017年春ごろを予定している。
同事業は、2012年度で新規事業化。海底土質調査や設計を経て、起工式となった。
起工式には国や県、市などから約50人の関係者が出席し、工事の安全と新ターミナルを拠点にした宮古の経済発展を祈念した。
あいさつで下地敏彦市長は、冬季波浪時に貨物船が接岸できず、入荷遅れなどの課題が出ていることを指摘。ターミナルの整備効果については「安定的な海上輸送の確保や大規模地震時の物資輸送が可能になる」と強調した。
知花包信平良港湾事務所長は「平良港は重要港湾として、宮古圏域の5万6000人の生活を支えている」と述べ、同港が物流の拠点港湾として重要な役割を担っていることを説明した。その上で「安全を第一に、早期完成を目指す」と決意を述べた。
島尻安伊子内閣府大臣政務官は「今回の起工式は、宮古地域の更なる発展の大きな一歩になる」と位置付け。沖縄振興を担当する政務官として、「ターミナル整備事業をしっかり進め、宮古地域の振興、発展に全力を尽くす」と誓った。
太田昭宏国土交通大臣(大脇崇同省港湾局参事官代読)は「港湾などの交通基盤整備による物流の安定、効率化は、安倍内閣の最重要課題の一つである日本経済の再生に向けて不可欠な事業」と述べ、新ターミナルの1日も早い完成を強くバックアップしていく考えを示した。
平良隆市議会議長は、懸案事項となっていた耐震バースが着工し課題が解決に動き出したことを喜んだ。
名城整平良港湾事務所工務課長が、事業概要を説明。次いで、ケーソンを製作する浮きドックで、下地市長や知花所長らがくわ入れの儀式を行った。
複合一般輸送ターミナル 一般にフェリーやトレーラーなどの車両を収納する「RoRo船」、コンテナ船が利用する港湾施設