各地でキビ春植/株出と連作の利点鮮明
18日の雨で畑が潤ったのを見計らって、宮古の各地でサトウキビの春植が行われている。上野のヤーバル地区で20日、作業を頑張った上地博昭さん(65)は「春植は、株出につなげるのが一番のメリット。キビの栽培環境は、株が出なかった以前と比べ、大きく変わった」と強調した。
今ごろ植える作型は、季節にちなみ「春植」、収穫後に出る株の栽培を「株出栽培」と呼ぶ。
上地さんによると、1年に1回収穫する両作型の平均反収は6㌧、現在主流で2年1回収穫の「夏植」が8㌧。上地さんは「春植-株出体系(2年間)の反収は12㌧になり、夏植の8㌧を上回る。春植は株出につながるだけでなく、来年夏の夏植の苗にもなる」と述べ、春植が所得向上や土地の利用率向上に結び付くことを示した。
ハリガネムシに有効な新農薬の使用やアオドウガネの成虫を光でおびき寄せて捕獲する誘殺灯の大量設置に伴い、ほとんどのキビ畑で株が出るようになり、現在は「春植-株出」栽培が十分可能になった。以前は、両害虫が根の芽などを食い荒らし株が出なかったため、春植-株出栽培は難しかったが、今では同課題が解消された。
県農業研究センター宮古島支所によると、春植はできるだけ早い時期に植えた方が良い。理由に①長い期間育てて収穫量を増やす②大きく育ったキビは干ばつや台風に強い-などを挙げる。発芽率を良くするために、苗は浅めに植えて、土壌を乾燥させないようにかん水をすることも助言する。