市商業地 1平方㍍4万1000円/13年地価公示
前年比2.8%の下落/下落率 5年連続のワースト
【那覇支社】国土交通省が全国地価公示価格を発表したのに伴い県は21日、2013年地価公示結果(1月1日現在)を公表した。宮古島市の商業地(平良字下里西里61番外)は県内商業地の中で最も下落率が大きく、前年を2・8%(1200円)下回り1平方㍍当たり4万1000円だった。また、下落率2位も市内では最高値の商業地(平良字西里羽立391番外)で、前年を2・6%(1600円)下回り1平方㍍当たり5万9900円と6万円台を切った。市内商業地の下落率は5年連続で県内最大。県内地価は21年連続の下落だが、下落幅は3年連続して縮小した。
宮古島市は住宅地でも下落傾向が続いており、下落率は県内でも高い。平良字下里大原842番の1が変動率3・0%減で下落率3位。1平方㍍当たりの地価は3万2000円となった。
市内の地価は標準地8地点で、いずれも前年を下回っており、昨年に引き続き下落に歯止めが掛からない状況だ。
県代表幹事の大嶺克成不動産鑑定士は宮古島市の地価下落について、昨年のコメントと同様、「農業と観光が主産業の宮古島は、地域経済の悪化を緩和し地価の下落を防ぐ他のクッションがない」と分析している。
また、人口減少の著しさを指摘した上で、「人口は基本的に宅地需要に影響するため、人口減少が土地取引の鈍化を招く一番の要因になっているものと考えられる」と説明した。
県全体の地価は1991年をピークに、商業地で22年連続、住宅地で18年連続して下落し、全体では21年連続の下落が続いているものの下落幅は昨年に引き続き3年連続で縮小した。
県内住宅地は、那覇市の新都心地区3地点で上昇に転じた地点も現れ、県内観光入域客数の増加など、県内景況に一部改善の動きがみられることや、横ばいとなった地点が増加したことで、一部地域での持ち直し傾向がみられている。
また、商業地では郊外型大型店舗などの影響で既成商業地が空洞化していることや、商業用不動産投資需要が減退していることから下落傾向にある。
県内地価の最高価格(最上位標準値)は那覇市久茂地3丁目1番1の日本生命那覇ビルで1平方㍍当たり75万5000円。前年から5・2%上昇した。