全国競技かるたで優勝/平良暁子さん(下地中2年)初段獲得
県内初 「もっと上目指したい」
第32回全国かるた競技大会が20日、鹿児島市の鹿児島アリーナで開かれ、D級(無段)に出場した平良暁子さん(下地中2年)が優勝し、初段を獲得した。主催した全日本かるた協会によると、県内では初の快挙。平良さんは「本調子ではなかったけど、優勝できてうれしい」と話した。
D級で上位入賞すると初段となりC級に進むことができる。最高峰はA級(四段以上)。
平良さんが出場したD級には全国から約30人が出場。年齢や男女の別なく行われ、決勝では熊本の男子高校生と対戦した。
試合では100枚の札のうち、50枚が使用され、読み手が上の句(五七五)を読んで、取り手が下の句(七七)を取り合う。
好きな札は紀貫之の「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほいける」。「その札が取れると気分的にのっていけます。決勝戦でも取れました」と笑顔を見せた。
全国大会にはこれまでに3回出場したが、最初は2回戦で、2度目は4回戦で、3度目は3回戦でそれぞれ敗退していた。
「大会ではあまり緊張しない。もっと上を目指し、一生のうちにA級を取りたい」と意欲を見せた。
小6のころ、図書館でたまたま見掛けた百人一首に興味を持ち、中1の2学期から本格的に競技かるたに取り組んだ。
県内には公式のかるた会やかるた協会などがなく、平良さんは独学で練習を重ねてきた。
100枚の歌を全部覚えたり、野球の素振りのような練習で札を瞬時に取る技術を習得した。
練習の場は実家近くの祖母の家。友人の下地沙羅さん(下地中2年)と、札を読んでくれる専用機器を用いて札を取り合っているという。
下地さんは大会出場の経験はないが「いつか出てみたい」と話した。
祖母のスミさん(86)は「一生懸命真面目に打ち込んでいた。優勝と聞いて本当にうれしい」と孫の快挙に目を細めていた。
競技かるたは百人一首をすべて覚えることから記憶力が鍵となる。また、試合が長時間にわたることや札を払う時の激しさから気力や体力も求められる。
同協会の広報担当者は、「平良さんの段位獲得を機会に、沖縄県でも競技かるたが普及、発展していけたらと期待している」と話した。