音楽の素晴らしさ再認識/日弦協全国大会
再開催、国際音楽祭誘致目指す
日本最大の弦楽合奏の祭典「日本弦楽指導者協会第71回全国大会」が3月30、31の両日、マティダ市民劇場で開かれた。国内演奏家やその門下生ら約400人が来島。講演会やコンサートを通して音楽の素晴らしさを再認識するとともに、宮古の子どもたちへ生きる力を育むという理念をアピールした。
同大会実行委員長で同協会理事・沖縄県支部長の天野誠さんは「舞台と客席をいっぱいにすること。演奏家が気持ち良く演奏すること。観客が楽しんで聞いてもらえることという目的は達成した。大会は大成功だった」と話した。
全国大会は「ストリングサマーセミナー」と並ぶ日弦協の年間2大行事の一つ。宮古島での大会には、2歳~77歳までの幅広い年齢層が全国から集まった。
受け入れに関しては、実行委や招致委員会などを設置し、2年前から準備を進めてきた。
地元の音楽関係者のみならず観光協会や商工会議所なども支援。市も「宮古の子どもたちが一流の音楽家の演奏を聞けるまたとない機会」と捉え、各学校と会場を結ぶ無料バスを運行させるなど積極的に取り組んだ。
天野さんは「フィナーレを飾った『威風堂々』では、涙ぐんで演奏する演奏家もいた。感動して涙を流した観客もいたと聞いている。まさに客席と舞台が一体となったコンサートだった。本部の理事からも『日弦協の歴史に残る大会だった』との声が寄せられている」と話した。
日弦協の立木茂理事長は「5年前にわずか4人の会員で開設された沖縄県支部が、あれほどの全国大会を成し遂げたことは、日弦協にとって革命的な出来事。市や観光協会などの支援、そして何より宮古島の子どもたちの努力と保護者たちの協力があったからこそ開催できた」と語った。
全国大会は東京、地方とそれぞれ交互に開催されている。
天野さんによると、宮古島での大会が成功に終わったことで、関係者の間からは2年後の2015年に「再び宮古島で全国大会を」という機運が高まっている。
年1回、世界的な音楽家を宮古島に招へいし、コンサートなどを開催する「国際音楽祭」の誘致も目指すという。
天野さんは「宮古の子どもたちが、『宮古はすごい所なんだ』ということを音楽を通して認識し、島外から来る人たちに宮古の良さをアピールできるようになればこれほどうれしいことはない」と話した。