「危機的」食習慣浮き彫り/市が食の調査実施
8割が鉄分、食物繊維不足/子ども、大人とも塩分過剰
宮古島市健康増進課はこのほど、市内の小中学生と大人を対象とする食の調査を実施した。児童生徒、大人とも餠%以上が鉄分と食物繊維が不足。過剰摂取は塩分で、70%以上が摂りすぎている。このような偏りは児童生徒、大人とも同じ傾向にある。市は「生活習慣病を引き起こす要因となる。若い世代に危機的な食習慣の実態がある」と指摘し、各家庭における食習慣の改善を促している。
小中学生の調査は昨年12月に実施した。小学5~6年生は1223人中997人、中学1~3年生は1929人中1850人から回答を得た。
この結果、小学生の62・7%がカルシウム不足と評価され、鉄分は93・5%、食物繊維は96・5%が不足していた。中学生も同じ傾向でカルシウム不足は68・6%、鉄分93・1%が不足、食物繊維は93・4%が不足している実態が分かった。
一方、摂りすぎている栄養素は小学生、中学生ともに塩分で、77%の児童生徒が過剰に摂取している。
大人の調査は昨年11月から今年1月にかけて実施。3歳児検診のために訪れる親100人を対象とした。
不足栄養素はカルシウム60%、鉄分、食物繊維は80%不足していることが分かった。過剰栄養素は塩分で対象者全員が摂りすぎと評価された。そのほか50%以上の大人が脂肪を過剰摂取している。
市は小中学生調査の考察として、「学童期や思春期に確保する必要があるカルシウムや鉄分、食物繊維の不足は健康な体づくりに大きなマイナスの要因となる」と指摘。今後の対策として「不足しがちな牛乳や乳製品、緑黄色野菜、小魚、海藻類を摂り脂肪分の多い食品や塩分の摂りすぎを抑えたバランスの取れた食習慣の実践」を挙げている。
大人については、カルシウムは骨粗鬆症予防、鉄分は鉄欠乏性貧血予防、食物繊維は大腸ガンや糖尿病予防になるとし、いずれも摂取量が不足している現状を懸念。調査結果から「生活習慣病を引き起こす要因」と指摘して食習慣の早急な改善を呼び掛けている。
健康増進課の豊見山京子課長は「まず自分の健康に関心を持つことが大切。食事だけではなく睡眠や運動など見直せる部分はそれぞれあるはず。家族のためにも食習慣を見直してほしい」と話した。