相談件数121件(前年比)減少/市家庭児童相談
ソーシャルワーカーが奏功/虐待は3件増の21件
宮古島市家庭児童相談室への2009年度の延べ相談件数は492件で、前年度比121件の減少となったが、相談により明らかになった虐待実数は3件増の 21件だったことがこのほど、市児童家庭課のまとめで明らかになった。同課では09年度に教育委員会がスクールソーシャルワーカー(相談員)を導入したことが相談件数の減少につながったとの考えを示している。
家庭児童相談室への相談件数を項目別に見ると、「学校生活等」が前年度の147件から70人減の77件、「非行」は81件から62件減の19件と、学校とのかかわりが深い項目で大幅に減少している。児童家庭課では「スクールソーシャルワーカーを導入した教育委員会との連携がうまく取れた結果」と分析している。
子育てをする上での経済的問題や不良な地域環境などに関する「環境福祉」についての相談は、前年度165件から92件増の257件と急増。景気低迷に伴う経済状況の悪化から、相談件数が増えたものとみられる。
「家族関係」のうち「虐待」に関する相談は137件から67件へと半減したが、相談から明らかになった虐待の実数を見ると、前年度の�18件から3件多い 21件となった。内訳を見ると、身体的虐待(疑いを含む)が11件、心理的虐待が2件、ネグレクト(養育の怠慢、放棄)が8件だった。
虐待21件という結果について同課では「市で把握できたものだけで、実際にはもっと多い可能性もある」とした上で「虐待をさせないためには、みんなの目でチェックすることが必要。虐待の疑いが感じられるケースがあれば速やかに相談してほしい」と呼び掛ける。
市は県に対し、県中央児童相談所宮古分室の設置を要望しているが、10年度での設置は見送られた。同課担当者は「専門家に来てもらい、市と連携していくことができれば、もっと良い対応ができる」と、宮古地区の問題を迅速に解決するためにも宮古分室の早期、設置が必要との考えを示した。