思いよ届け!花々にのせて/伊良部押し花工房「ローゼル」
福島の押し花展に出品
東北の被災地から自主避難で宮古島に移住する家族は現在16世帯37人(宮古島市総務課)。そのうち、福島県が11世帯29人と最も多い。住民との交流の中で、島の人たちの中にも被災地に向け支援の輪が広がっている。伊良部字長浜にある押し花工房「ローゼル」の主宰者・林貴代子さんも福島の出身。今月18日から福島県郡山市の市民ふれあいプラザで始まった「押し花作品展in郡山」(主催「しゃくなげ押し花倶楽部」)にローゼルのメンバー女性たち8人と共に作品を出品した。林さんが同倶楽部に所属することから、今回の参加となった。全員の作品を携え15日に出発した林さんは「島の皆さんの気持ちを伝えてきたい」と話した
「南の島からふるさとへ」/主宰 林貴代子さん
不思議なご縁で伊良部島に住むことになった。1995年、夫と共に島を訪れ、翌年には字長浜で土地を求め家を造った。でも福島での生活が忙しく10年間は、なかなか島に渡ることが出来なかった。その間、家は島の人たちに開放して使ってもらっていた。2006年からは私も仕事が一段落し、福島と伊良部島を行ったり来たりすることができた。ところが一昨年の震災で、故郷富岡町にある我が家は放射能の危険区域に指定され、当分帰れなくなった。
福島の現状は私たちが思っているより、もっと深刻な状況だ。そんな中、昨年10月、毎月送られてくる富岡町の広報で押し花展があることを知った。参加を呼び掛けたところ、伊良部島の皆さんは忙しい中、丹念に作品を仕上げてくださって感謝でいっぱい。福島の皆さんに、伊良部島の思いをしっかり伝えて来たい。
作品は、アサヒカズラとハイビスカスなどを使って、故郷をイメージした。画面右寄りの球体には、富岡町の「夜の森桜」を閉じ込めた。春、1キロ余に渡って桜のトンネルができる。その風景を思い出しながら作品に取り組んだ。