株出栽培面積665㌶/沖糖管内復活へ
全体の35%占める
沖縄製糖宮古工場の調査によると、来年収穫する2013年産サトウキビの株出栽培面積(速報値)は665㌶で、前年の440㌶と比べ225㌶(51%)増えた。
全体の面積1890㌶に占める割合は35%。土壌害虫のハリガネムシやアオドウガネの被害を受けて激減していた株出は、復活へ大きく前進した。
株出は、1年間で収穫できる栽培体系。2年に1回収穫する夏植と比べ、畑を有効に利用できるため、行政や製糖会社が普及に力を入れてきた。
沖糖管内の11年産株出面積は、220㌶だった。12年産は440㌶と倍増。13年産は665㌶と、最近2年間は200㌶を超えて増えた。
株出面積が急増する中、手入れが遅れて雑草が繁茂し、生育を阻害する畑が一部見られるという課題が浮上した。
同工場は、10㌃当たり6㌧以上収穫しないと、採算は取れないと試算。雑草除去や施肥など肥培管理の徹底が増収の鍵を握ると強調する。農業機械の利用に関しては、ハーベスターと株出管理機をセットで申し込む方法を提案した。
宮古地区の株出面積の推移をみると、78年産は3527㌶と全体の54%を占めた。生産量は、44万7000㌧とかなりの量に上った。その後、塩素系殺虫剤の使用禁止に伴い土壌害虫がまん延し、株出は減少の一途をたどり、96年産は82㌶(約2%)にまで激減した。
株出復活に向けては、ハリガネムシに有効な新農薬の普及を推進。アオドウガネの成虫を光で誘き寄せて捕獲する誘殺灯が大量に導入され、威力を発揮するようになった。現在、収穫後の畑では株が青々と生え、以前までの風景と様変わりした。
株出 収穫後、地下から出てくる株を栽培し収穫する方法