男性を免職処分へ/公金私的流用問題
市職員懲戒分限委が審査
宮古島市の男性職員が公金を私的に流用したとされる問題で、市としての処分内容を審査する市職員懲戒分限審査委員会(委員長・長濱政治副市長)が2日、市役所平良庁舎で開かれた。委員会では今回の男性の行為を公金窃取と判断。具体的処分内容は7日に下地敏彦市長へ報告されるが、市職員の懲戒処分に関する指針に従い、男性には免職の処分が下されるものと見られる。
この問題は、今年3月31日まで伊良部農林水産室に在籍し、現在は教育委員会で勤務する男性が、伊良部地域農地・水・環境保全管理協定運営委員会の2012年度事業で、国、県、市の補助金により農地や排水路の整備などを行う事業費630万円から75万5961円を私的に流用したとされている。男性は同事業の実績などを確認する立場で、会計処理は同運営委員会の事務員が行うこととなっていたが、昨年12月まで男性が通帳と印鑑を無断で持ち出していた。
流用は市が補助事業の実績報告を確認する中で発覚。市の内部調査に対し男性は私的な流用を認め、4月30日に全額を返金した。
今回の懲戒分限審査委員会で審査の対象となったのは男性と、当時の男性の直属の上司だった室長と室長補佐の3人。非公開で行われた委員会には3人も出席。委員が本人から事実関係や経緯などを確認した。
委員会終了後、マスコミの取材に対し長濱副市長は「審査結果については7日に市長へ答申する」として具体的処分内容は明らかにしなかった。ただし、委員会としては農地・水・環境保全管理協定運営委員会の資金を私的流用した男性の行為を窃取と判断していること、意見聴取の結果、男性に酌量の余地は見い出せなかったことを示し、市職員の懲戒処分に関する指針に沿った処分を行う考えを示唆。指針によると公金の窃取に対する処分量定は免職と規定されていることから、男性は免職処分とされるものとみられる。
室長と室長補佐の処分についても同指針に従うと減給または戒告とされることが見込まれる。
男性の正式な処分については、7日の委員会答申を受け市長が処分量定を判断し、その結果を男性が現在所属する教育委員会へ報告。それを受け、教育委員会で開催される委員会審議を経て、最終的に決定する。