水域外操業船は拿捕/日台漁業協定
水産庁長官が漁業者に説明
水産庁の本川一善長官が3日、日本と台湾との間で締結された日台漁業取り決め(日台漁業協定)について宮古島の漁業者に説明するため来島した。今月7日に第1回日台漁業委員会を開催することや沖縄の漁業者代表3人を委員会に出席させることなどを説明。協定水域外で操業する台湾漁船を発見した場合には拿捕するなど厳正に対応していく考えを示した。
宮古島漁協で開かれた説明会には宮古島漁協の粟國雅博組合長、池間漁協の長嶺巌組合長、伊良部漁協の久高明人筆頭理事と3漁協の組合員らが参加した。
4月20日にも協定についての説明のため来島した本川長官。その後の状況変化として、今月1、2日に日台漁業委員会の予備会談を開き、同7日に台湾で第1回委員会の開催が決定したこと、沖縄の漁業関係者の代表者として八重山漁協、与那国漁協、近海鮪漁協の各組合長が委員会に参加する方針であることを説明した。
協定水域外での違法操業者に対する対応として本川長官は「拿捕で対応することを政府として意思統一を行った。今後、厳正に対応したい」と取り締まりを強化することを明言。今回定めた水域の変更、撤廃については「ただちには難しい」とした上で、協定水域内での操業ルールづくりや水域見直し議論などを委員会の中で行っていきたいと語った。操業ルールができるまでの措置として、台湾漁船の延縄などにより日本漁船の漁具やパヤオなどが損傷する被害が発生した場合は国で補償する方向で調整を進めていることを説明し理解を求めた。
本川長官の説明に対し長嶺組合長は、「漁具被害に対応すると言うことはトラブル発生が前提ともとれる。トラブルなく漁ができることが当たり前であるべき」と反発。粟国組合長は「今回の協定は台湾側に譲ってばかりの内容。日本のメリットがあるのなら教えてほしい」などとして協定の不平等さを指摘し、協定は締結すべきではなかったとの考えを示した。