日台漁業協定 見直し求める/市議会
「漁業者の不利明白」/抗議する意見書採択
宮古島市議会(平良隆議長)は7日、日本と台湾との間で4月10日に締結された日台漁業取り決め(日台漁業協定)について、「台湾側に大幅に譲歩したもので、県漁業者にとって不利なことは明白」として、地元の意向に配慮することなく締結された同協定に強く抗議するとともに見直しを求める意見書を全会一致で採択した。
同意見書は、伊良部、宮古島、池間の3漁協からの要請を受け、議会運営委員会(上地博通委員長)が同日開会した市議会臨時会に提案した。
意見書では、漁業水域の設定に当たっては日本側が主張する排他的経済水域の地理的中間線を基本ラインとして協議を進めるよう求めてきたにもかかわらず、地元への説明がないまま締結された協定では台湾側に大幅に譲歩した内容となっていることを指摘し、「3漁協所属漁業者をはじめ、県漁業者にとって不利なものとなることは明白」と断言。漁業者の安全操業と生活に大きな影響を及ぼす懸念を示し、「今回の協定締結は極めて遺憾であり到底許されるものではない」とした上で、地元意向への配慮なく締結された協定に強い抗議の意を示すとともに、その見直しを求めている。
市議会臨時会では、上地委員長が提案理由を説明。採決の結果、全会一致で同意見書を採択した。意見書は内閣総理大臣、農林水産大臣、外務大臣、沖縄及び北方対策担当大臣、水産庁長官宛てに送られる。
同協定では、日本の排他的経済水域の一部に台湾漁船の自由な操業を認める法令適用除外水域と、法令は適用するものの双方の操業を尊重しつつ操業秩序の確立に努めるとする特別協力水域が設定されている。これらの水域内での操業ルールについては、県の漁業者代表3人も参加する日台漁業委員会の中で協議を実施。その第1回委員会は7日、台北で開催された。