ハウス加入1.6倍の995棟/12年度園芸施設共済
促進支援制度が追い風
県農業共済組合宮古支所(瑞慶覧栄功支所長)管内における2012年度の園芸施設(ハウス)共済の加入棟数は、前年度の616棟と比べ1・6倍の995棟と、一気に増えた。加入者数も194人(同比70人、56%増)となった。同支所は「県の補助で農家負担掛金を軽減できる支援制度が追い風になった」と要因を分析する。
農業共済加入促進支援事業は、園芸施設共済の場合は農家負担掛金の6割相当額を、生産資材購入費助成などの形で間接的に支援する制度。同制度は、12年度にスタートした。
台風などの際に、ハウスや中の作物が受ける被害を補償する園芸施設共済は、1989年度から始まり、加入棟数は、05年度の1104棟がピークとなった。その後減り続け、10年度には475棟まで落ち込んだ。07年と08年に台風がなく、「農家に安堵感が広がっていたのでは」と理由を推測する。11年度から、再び増加に転じた。
12年度の全棟数に占める加入率は、約4割だった。同支所は「自然災害の被害があっても、各農家がこれを乗り越えて経営を安定させる形に持っていきたい」と述べ、より多くの農家の加入を呼び掛けている。
共済加入促進支援金の口座振り込みは、昨年の11月から開始した。
農業共済の掛金は国が半分、農家が半分負担する制度。今回、県が農家掛金を支援し、共済に加入しやすくした。園芸施設共済の補償金額は、ハウス本体や農作物を時価評価し、その50~80%の範囲内で選択できる。
農業共済 台風や干ばつなどの自然災害による損害を補てんし農家経営を安定させている制度。