「場面緘黙児」に正しい理解を/親の会が市教委に
川満教育長、積極支援を約束
家庭では普通に話せるのに学校や幼稚園など特定の状況では話せない「場面緘黙(かんもく)症」の子どもの親たちで構成する「宮古島緘黙っ子の親の会」のメンバーと支援者たちが20日、市教育委員会に川満弘志教育長を訪ね、場面緘黙児に対する正しい理解と支援を呼び掛けた。川満教育長は「認知度が低くて早い時期の適切な支援ができていない状況にあるが、市の児童家庭課と連携しながら研修会や講演会などを開催して理解を深めていきたい」と述べ、積極的な取り組みを約束した。
場面緘黙児は、学校や家庭でも「ただシャイなだけ」と思われ、一般にもあまり認知されていないことから見過ごされているケースも多い。
国内でも情報が少なく、孤立した状況に置かれている緘黙児や保護者も多く、その克服には周囲の理解と連携、協力が不可欠となっている。
宮古の親の会は、昨年8月に6人の会員で発足した。今年1月には市の協力を得て講演会を開催すると、沖縄本島からの参加者も含め約200人が会場に訪れた。
市教委に対して、同親の会からは正しい理解と今後の取り組みに役立ててと場面緘黙症を題材にした書籍や絵本が贈呈された。
同会のメンバーは「まずはこうしたこうした問題があることを多くの人に知ってほしい。早期発見による支援と取り組みで回復の可能性も広がる。適切な支援がないと不登校や将来、社会に適応しにくい状況になる人もいる。この症状は学校での支援と家庭との連携がとても大切なのでぜひ、理解を深めてほしい」と呼び掛けた。
場面緘黙児支援のために設立された情報交換ネットワーク団体の「かんもくネット」が今月を啓発月間としており同親の会では今後、県宮古教育事務所などにも同様の呼び掛けを行っていくとしている。
また、症状に当てはまる児童がいる場合や、同会についての問い合わせはひよどり保育園(0980・72・7328)まで連絡を呼び掛けている。