キビ株出が全面積の4割/宮古本島13年産
前期比 倍の1386㌶/復活へあと一歩 肥培管理の徹底を
宮古や来間、池間島に栽培されている2013年産サトウキビの株出面積(速報値)は1386㌶と、前期の819㌶と比べ567㌶(69%)増加したことが、沖縄製糖宮古工場と宮古製糖城辺工場の調査で分かった。夏、春植も合わせた全面積に占める割合は、前期の21%より17ポイント増の38%と4割近くに達した。35年前に作付け面積の5割を占めていた株出は、復活へあと一歩と迫った。
株出は、土壌害虫のハリガネムシやアオドウガネの被害を受け激減していたが、08年産から増加に転じた。
増加の要因には①ハリガネムシに有効な新農薬の登場②同アオドウガネ成虫の誘殺灯による捕獲-などを挙げている。
株出面積が急増する一方、手入れが遅れて雑草が繁茂し、生育を阻害する畑が一部に見られる課題が浮上した。
両工場は、10㌃当たり6㌧以上収穫しないと、採算は取れないと試算。雑草除去や施肥など肥培管理の徹底が増収の鍵を握ると強調する。
株出管理作業を受託する男性は「現在、株出畑で見える雑草は培土の前後に、除草剤を散布すれば除去できる」と述べ、早めの対応を促した。
両工場は農業機械の利用に関しては、ハーベスターと株出管理機をセットで申し込む方法を提案する。工場別の株出面積は宮糖が前期の379㌶比べ1・9倍の721㌶。全栽培面積1748㌶の約4割に達した。同工場管内の株出面積は1978年産が最大となり面積構成比は52%だった。最近の面積の推移は09年産54㌶、10年産98㌶、11年産180㌶、12年産379㌶、13年産721㌶と急増傾向にある。
沖糖は665㌶で、前年の440㌶と比べ225㌶(51%)増えた。全体の面積1890㌶に占める割合は35%となった。
両工場はサトウキビ年内操業の条件に、1年1作の株、春植の面積拡大による生産量の増加を挙げており、13年産の株出面積増は、同条件充足へ明るい材料となった。
株出栽培のメリットには①2年1回収穫の夏植と比べ土地の利用効率が良い②土地の耕起や整地、苗代が要らない-などが挙げられている。