「ヤッカヤッカ」島に響く/多良間島
豊年感謝、豊作祈願/「スツウプナカ」で祭り一色
【多良間】多良間村の伝統行事「スツウプナカ」が26日、2日間の日程で始まった。26日深夜から27日未明にかけて、四つの祭場では暁願いが行われ、男性たちの「ヤッカヤッカヤッカ」のはやしが響いた。参加者らは角皿で神酒を回し飲み、多良間世を盛大に祝った。ほとんどの成人男性が参加し、島は祭り一色に染まった。多良間の八月踊りと並ぶ島最大の行事で、1983年に村の無形民俗文化財に指定された。
26日午後10時すぎ、ブシャ座で作られた神酒と各祭場の暁願いに必要な物資が老座に運ばれた。パイジュニの中老たちが洞窟近くのフシャドゥガー(井戸)に降り、神酒などを供えた。
その後、祭場に移動し、神歌を唱和した。同日深夜から翌日未明にかけて、各祭場では青年たちが神酒が入った角皿を盆に載せ、ゆっくりとゆらしながら「ヒヤ、ヤッカヤッカヤッカ」とはやしながら神酒を回し飲み、祭りは佳境を迎えた。祭場はパイジュニ、ナガシガァー、フダヤー、アレーキの4カ所で、それぞれ役割の座があり、60代以上の老人座、50代を中心とした祭祀運営を司る幹人座、供え物など料理をするクバン座、祭祀用の魚類を獲るイム(海)座で構成される。
この祭祀は多良間島、水納島の貴重な文化遺産として受け継がれているが、その起源は不明という。伝承によると当初は1カ所で行われていたが、後に現在の4カ所で行われるようになったと言われている。