「複式学級存在しない」/学校規模適正化
市教育委員会(宮国博委員長)の学校規模適正化に向けた新基本方針説明会が26日、伊良部公民館で行われ、伊良部と佐良浜両学区の住民から、2019年度までに佐良浜中と伊良部中を統合するとする方針に「両中学校には複式学級は存在しない」「課題がないのに先行して統合する理由がない」などの意見が出され、両中学校の統合に断固反対する姿勢を強調した。
また、24日の市中央公民館での説明会同様に住民から、住民の不安や質問事項などについて再度話し合う説明会が要望され、同委員会も地域が設定すれば応じる姿勢を示した。
住民からは、複式学級が存在しない両中学校が先行的に統合されることに対する不満や伊良部と佐良浜では文化や習慣も違うことなどが訴えられた。
市教委の資料では、5月1日現在の佐良浜中の生徒数は92人で各学年1クラスの計3クラス。伊良部中は69人で学級数は特別支援学級1クラスを含む4クラス。両校とも複式学級は存在しない。
同様に統合予定の城辺地区4中学の1クラス当たりの生徒数が1桁~10人台に対して、伊良部と佐良浜は伊良部中の3年生17人以外は25~35人台となっている。
さらに、鏡原中学校(83人)の生徒数よりも佐良浜中学校の生徒数は92人と多いことなどから、伊良部の住民からは「市教委が喫緊の課題と位置づけている複式学級も存在しないし、鏡原よりも人数が多いのになぜ先行的に統合する必要があるのか」などの疑問の声も出された。
これに対して宮国委員長は「学校規模適正化検討委員会からの答申もそうだが、1学級25~30人の複数の学級の学校にしたいというのが私たちの考えであり、その規模が最も期待する学校なのでそういう意味では伊良部と佐良浜が一緒になればそうなる」と説明した。
これに対して住民からは「複式学級になれば住民も考えると思うし、学校教育が成り立たないという状況で統合を急いでいる地域なら仕方がないとも思う。しかし、伊良部の場合はそうではないし、伊良部を先行して行う必要はない」と指摘した。
鏡原中との比較について、川満弘志教育長は「鏡原も私たちが求めている規模には足りていないし、同様に2クラス以上の規模が必要だと思う。しかし、他の地区と比較する問題ではなく、伊良部島の中学校は他に比べて今よりももっと良くできないかということ。そういう風に考えてほしい」と理解を呼び掛けた。
そのほか、統合した場合の通学方法に対する不安や疑問について何ら市教委から誠意ある回答が行われていないことに対する不満や「もっと子どもたちの声も聞いてほしい」「学校を守るべき教育委員会が地域の教育をつぶそうとしている」などの意見も出された。