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行雲流水
2013年6月5日(水)22:48

「宮古経済と観光産業」(行雲流水)

 観光産業が宮古経済に占める地位はかなり高い

▼県が先月発表した平成22年度純生産統計によると、宮古島市の純生産総額は1058億円。一方、日本交通公社などの分析によると、昨年度の観光産業純生産額は約170億円。年度のズレはあるが参考までに両者を対比すると、純生産総額の約16%に相当する。この位置は建設業(16%)と同位で、農業(8%)より大きい


▼純生産統計には「観光」という産業分類はない。観光の純生産額は、卸売・小売・サービス・運輸など広範囲の業種に分配され、これらの業種における雇用や所得の増加に寄与している。観光誘客と消費支出拡大は宮古経済振興のための戦略目標である、と言っても過言ではない

▼昨年度、宮古島を訪れた観光客は41万人。平均滞在日数は2泊3日。定住人口に換算すると3400人の人口流入に相当する。毎日1万5000円を消費する富裕層だ。観光客数が増加傾向にあることは喜ばしい

▼問題は、観光客1人あたり消費支出額が減少傾向にあることだ。3年前は5万1000円だったが、昨年度は4万5000円に下がった。ホスピタリティー(サービス精神、温かくもてなす誠意)の不足を指摘する向きもある。施設・食事・接客態度・土産品などを改善すれば、納得のいく消費環境をつくり出すことができる

▼さいわい、観光客は宮古の自然を「良い」と評価している。観光産業は成長潜在力を秘めている。その顕在化を図って、宮古経済活性化の強力なけん引車の一つにしたいものだ。(柳)

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