多良間で大型2匹を確認/アフリカマイマイ
「いないはずなのに…」 村、繁殖を懸念
【多良間】多良間村津川の路上でこのほど、大型のアフリカマイマイ2匹が確認された。同村ふるさと民俗学習館によると、同村では少なくとも40年以上前にアフリカマイマイの駆除作業を行っており、それ以来目立った目撃情報はないという。「もういないはずではないのか」-。農作物を食害するアフリカマイマイの確認情報に島民は戸惑いを隠せない。同村は繁殖を懸念、状況に応じて対策を講じる方針だ。
ふるさと民俗学習館によると、アフリカマイマイは4月下旬に津川の路上で生きたまま確認され、同館に報告があった。
殻の大きさは約7㌢で大型。特徴的な殻などから同館ではアフリカマイマイであることを確認した。
島内では3年前に1匹が確認されているが、同館では2匹同時の確認を懸念している。同館の垣花昇一さんは「2匹見つかったということはもっといるかもしれない」と危機感を強めており、確認場所が3年前と同じ地区であったことも懸念材料の一つに挙げた。
垣花さんによると、多良間島では、終戦後にアフリカマイマイが一気に増えたという。「宮古島からのイモの苗に卵が付いてきたと聞いている」と話す。
その後、野菜やイモなどで食害が相次いだため、駆除作業を行ったという。時期は少なくとも今から40年以上前。それ以来、多良間島ではアフリカマイマイの目撃情報はなかった。
垣花さんは「アフリカマイマイは絶対に増やしてはいけない」と話し、島全域における実態調査の必要性を指摘している。
県病害虫防除技術センターによると、アフリカマイマイは南アフリカ原産の大型陸生貝類の一種。沖縄県には1930年代に人為的に持ち込まれ、沖縄本島をはじめ宮古、八重山群島に分布を拡大した。
宮古本島では今も確認されているが、その数は減少傾向にある。