国の動向をみて検討」/市職員の給与減額で副市長
開会中の市議会6月定例会は20日、一般質問2日目に入り、5氏が登壇し下地敏彦市長の政治姿勢などをただした。このうち、議会基本条例制定に関連して、市長の反問権の必要可否を問われた下地敏彦市長は「議員の質問に対し、論点、争点を明確にするためには市長の反問権は必要だと考える」と答弁した。
地方公務員の給与削減について現在、市が検討中としている理由について長濱政治副市長は、国が東日本大震災の復興財源を確保するため、2012年度~13年度の1年間、国家公務員の給与が平均7・8%削減され、地方公務員についても今年度7月から平均7・8%削減するよう要請されているが、これは全市町村一律カットではなく国の給与水準を上回る部分での削減要請だと説明した。
その上で、「地方交付税は全市町村一律カットされる見込みだが、国の職員給与を下回り、職員数削減などが進んでいる市町村は交付税に割り増しされる仕組みになっている」として、市の職員給与の削減は地方交付税の執行状況が7月に明らかになることから、「国の動向を注視し、執行状況をみた上で検討したい」と説明した。いずれも新城啓世氏(市政ク)への答弁。
保良地区における天然ガス試掘(県事業)での海洋汚染や一帯の地盤沈下の恐れはないかとの問いに対し、下地市長は「天然ガス試掘は海洋汚染を防止した法律に順守して行うものであり、周辺環境にかかる影響調査を行うとしている」との県回答を述べた上で、「万全の対策を講ずるよう県、試掘事業者と協議する」と答えた。
東平安名崎元市有地の買い戻しに関連し、売り主の保有期間中、環境汚染などの土地の瑕疵はなかったか、土壌汚染の調査予定はあるかとの質問で長濱副市長は同土地について、「開発行為が行われなかったことから土壌汚染はないものと考える」と答弁した。
その上で、「今後の活用については風光明媚な土地であり、今後、地元と話し合い検討していきたい」と答えた。いずれも下地博盛氏(自治研ク)に対する答弁。
池間島における簡易なかん水施設としてのため池の整備について、下地市長は「池間島のかん水用のため池については補助メニューがあるかどうかをまずは確認して万が一、補助メニューがない場合は一括交付金を活用したい。これは離島の不利性の克服という内容で一括交付金の対象になる」との見解を示した。垣花健志氏の質問に答えた。
下地智氏は「多良間フェリーを活用しての宮古―多良間―石垣島の就航は可能か」と質問。古堅宗和企画政策部長は「利用者が厳しい状況から就航は困難、不可能とされる。就航で補助金が対象となるのは3年以上の実績が必要とされる」と述べた。また、下地氏は「養殖は有望な産業。地下ダムの水を活用した淡水養殖は展開できないものか。スッポン養殖では高価な取引もあるようだ」と質問。これに対し、下地市長は「淡水養殖はかなりの水の循環が必要であり、淡水養殖は儲かるものではない。折角の提言であるので検討したい」と述べた。