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行雲流水
2013年6月21日(金)23:00

「電子カルテ」(行雲流水)

 新装なった宮古病院の外来診療を受けた。外来を再開した2週間後である。その際、懇意にしている医師から声を掛けられ電子カルテを見せてもらった。「革命的だよ」とおっしゃる


▼診察室のデスクトップに映るのは半年前の私のレントゲン画像だ。さらに5年前のCT映像を引き出す。すっかり忘れていたものが目の前に鮮明に映し出されたのには感動すら覚えた

▼旧来のシステムでは考えられない出来事だ。まさに革命である。過去の記録と画像を瞬時に見ることができるIT技術の進展は驚異的と言える。過去の記録を見るのにこれまでは百科事典並みに分厚くなった紙のカルテとフィルムを探してこなければならない半日がかりの仕事だった。それが2~3秒で済むのである

▼12年前、2001年厚生労働省はe-japan構想の一環として「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」を策定して全国の病院・診療所の6割以上を電子カルテシステムにすることを目標とした

▼しかし、その普及率は2011年時点で200から399床の病院では27%、20から199床の病院で14%、診療所で20%であるといわれる。普及率の低さには、医師や看護師など恒常的に多忙な医療従事者が新たな端末操作を学ばなければならない事情もあるようだが、それは一時的なことで端末操作に慣れてしまえば電子カルテシステムの持つ機能を駆使することができる

▼患者個々の記録は症例データベースとして医療の質の向上に役立つだろうし、総合医療管理、地域医療連携、院外処方等医療行為の効率化も期待できる。宮古病院の電子カルテシステムは圏域医療の要となることだろう。(凡)

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