債権4000万円が未収/市議会一般質問
診療報酬不正受給など/当局が事実関係説明
宮古島市に歳入として入るべき債権のうち、佐良浜診療所の診療報酬不正受給事件にかかる返還金の一部2714万円と、市による道路拡張工事物件補償費誤払いにともなう不当利得返還金1257万円の全額が未徴収となっていることが24日、明らかになった。5氏が登壇した市議会6月定例会一般質問最終日、長濱政治副市長らが新里聡氏の質問に事実関係を説明した。
佐良浜診療所の診療報酬不正受給は2007年度に県などの監査により発覚。市の損害額は国民健康保険と老人保険分を合わせ5814万9030円だった。市は同診療所に返還を請求。09年1月に2086万6775円、10年4月には1013万2660円が返還されたが、2714万9595円が未収金となっている。
長濱副市長は、10年の返還時に同診療所代理人から今回の返済で医師は無資産状態となり、これ以上の返済は難しいとの報告があったことを説明。法律上、滞納処分をすることはできないとしながらも、現実的には未収金の回収は難しい状況にあるとの考えを示した。
道路拡張の物件補償費は07年度、市が誤って土地の債権者ではなく債務者である土地所有者に1239万円を支払ってしまったことから、市は債権者に同額を支払った後、債務者を提訴。08年10月、那覇地方裁判所平良支部が債務者に遅延損害金と訴訟費用を加えた1257万1685円の支払いを命じたが、その後、返済が行われなかったことから市の担当部局は6回に渡り返済請求を行っているが回収には至っていない。
新里氏の質問に対し、下地康教建設部長がその事実関係を認めた。
新里氏はこの2件に加え、今年、訴訟が終結した市港湾施設用地の滞納問題で約7900万円の債権が発生していながら、それらの歳入調停がいまだ行われず、予算書に歳入として掲載されていないことを指摘し、「この状況では議会がチェックできない」として改善を要請。長濱副市長と下地部長は今年度から歳入調停を適正に行う考えを示した。
同日の一般質問ではそのほか山里雅彦氏、新城元吉氏、長崎富夫氏、上里樹氏が登壇し市長の政治姿勢などをただした。