伊良部B&G海洋センター 休館、取り壊しへ
市教委が方針決定/「修繕は財政上困難」
伊良部字長浜の宮古島市伊良部B&G海洋センター施設(体育館、プール、艇庫)が7月1日から休館することが27日に行われた市教育委員会の第3回定例会で決定した。休館の理由について市教委では「老朽化による損壊が著しく安全使用が困難」としており、今後は解体費用の予算措置を財政課と調整していくとしている。伊良部字佐和田の艇庫については、同施設を建設したB&G財団と宮古島市双方が建設費を負担して別の場所で新しい艇庫を建設するとしている。
定例会では、教育長職務代行者の田場秀樹教育部長から休館についての議案が提案され、委員からは「安全性に不安があるのであれば休館すべき」などの意見が出され、7月1日からの休館を全会一致で承認した。
市教委によると、同センターは、1984年にB&G財団が建設。当時の伊良部町に管理運営を委託し、3年後の87年には同町に無償で譲渡された。
合併後は宮古島市が管理運営を行ってきたが近年は老朽化が進み、プールは2010年度から使用されていない。
体育館については、現在も高校や中学校のバレーボール部やバドミントン部の生徒が活用しているという。
同日、同センターを視察を行った市教委側の説明では「床も一部は壊れており危険な状態で利用方法も限定されている。各学校にも体育館はあるのでそこで対応できると思う」と述べた。
市教委によると、体育館を修繕する場合の費用は1億2000万円程度を見込んでおり、さらにプールと艇庫の修繕を加えると約2億円になるとしている。
修繕について、垣花徳亮生涯学習部長は「修繕は財政上困難」とし「閉館後は、解体に向けた予算要求をしないといけない。解体費用は4、5000万円程度を見込んでいる」と述べ、今後財政課との調整を踏まえ、予算措置され次第解体する予定であることを説明した。
先月27日には、下地敏彦市長と同財団側との協議が行われ、休館について確認している。そのほか、同施設の管理費用は年間2400万円程度で、その内訳は主に電気料金と人件費となっている。
【B&G財団】モーターボート競走法制定20周年を記念して、1973年に青少年の心身の健全育成と国民皆様の健康づくりなどを目的に設立。
全国の活動拠点となる地域海洋センター(艇庫・プール・体育館)を建設する「施設づくり」を中心に、「指導者づくり」や「組織づくり」「海洋性レクリエーションの提供」など、「B&Gプラン」の土台づくりを展開した。
2003年度から、同プランの第2ステージとしてこれまでのハード事業から、ソフト事業の提供へと方向転換している。