風しんワクチン 来月から公費助成/宮古島市
19~50歳の市民/妊婦の配偶者も対象
首都圏を中心に昨年、今年と風しんが大流行していることを受けて宮古島市(下地敏彦市長)は28日、来月1日から風しんワクチンの公費助成を開始することを発表した。対象は宮古島市民で過去のワクチン接種率が低いとされる年代が含まれる19~50歳(1963年4月1日生まれ~94年4月2日生まれ)と妊婦の配偶者(年齢問わず)。市によると対象者数は1万9000人で、そのうち500人程度となる300万円を予算措置している。助成期間は来年3月31日まで。
会見で長濱政治副市長は「今年は宮古島市でも5月に2例の発生が報告されている。特に妊娠を予定、または希望している女性および妊婦の配偶者は積極的な接種を検討してほしい」と呼び掛けた。
風しんの単独ワクチンの費用は5000円、MR(麻しい風しん混合ワクチン)は8000~9000円で、単独については3000円、MRは6000円を市が助成する。
これにより、接種する場合の自己負担分は医療機関により異なるが2000~3000円。市内14の医療機関で接種できる。
また、これまで自己負担で予防接種した費用の払い戻しは対応していない。
今年の大流行を受けてすでに風しんの単独ワクチンは全国的に不足しており、さらにMR(麻しん、風しん混合)ワクチンも品薄になることが懸念されることから供給が安定するまでの間は妊婦の配偶者および同居家族、妊娠を希望する人や妊娠の可能性の高い人を優先的に接種を行うとしている。
対象は、風しんの免疫力が低いと言われている年齢で特に、1979年4月2日~87年10月1日までの生年月日は男女とも接種率が低いことから注意を呼び掛けている。
宮古福祉保健所管内では、首都圏からも多くの観光客が訪れたゴールデンウイーク後の先月16日に2件(30代男性と20代女性)の発生届出があった。
全国における風しんの報告件数は2010年に87件だったが11年には378件、12年には2392件と大幅に増えた。さらに今年は、6月19日現在ですでに1万人を超え1万822人と昨年1年間の4・5倍となっている。
風しんは風しんウイルスの飛沫感染(だ液のしぶき)などで感染する。症状は、発疹、発熱、リンパ節の腫れが主症状だが症状が現れないこともある。
一度かかると大部分の人は生涯風しんにかかることはないが、特に妊婦初期の女性がかかると、胎児が風しんウイルスに感染し難聴、心疾患、白内障等の障害を持った子を出産する可能性がある。