北~東海岸で優先実施/キビの塩害回復
トラックでかん水作業
台風7号によるサトウキビの塩害回復のため、大型トラックを駆使したかん水が、被害の目立つ宮古島の北~東海岸一帯で行われている。塩害に伴う補助かん水は、今回が初めて。容量10立方㍍(10㌧)の水タンクを積んだトラックが給水所と畑をピストン往復している。24日からは、干ばつ対策のかん水も開始する。
台風7号は12日の昼前から13日未明にかけて約12時間、宮古島地方を暴風に巻き込み、海のしぶきを陸に吹き込んだ。雨の少ない台風だったため、葉に付着した塩分を洗い流せず、被害を顕著にした。赤茶けていたキビは現在、少し回復し青い葉も見えるようになった。
トラック1台のかん水費用は3500円で、農家負担が1500円、市補助2000円。塩害対策かん水は、早期回復を目的に、緊急に実施した。塩害は新里や友利、仲原、七又、保良、新城、比嘉、長北、高野、大浦、狩俣、池間などに広がる。
宮古地区トラック事業協同組合によると、使用可能なかん水タンクは53台(沖糖管内25台、宮糖管内18台、伊良部10台)。現在は、その一部が使われているという。
宮古製糖の給水所を利用した男性の運転手は22日、畑と同所を10回往復、別の運転手は8台分を運んだ。1日のかん水は、15台を上限に設定している。
宮古島地方は6月21日から今月7日まで17日間、少雨傾向が続いた。今月8、9日に小雨が降り、12日には台風7号に伴い29㍉のまとまった雨が降った。しかし、その後降らず、天気予報も29日まで晴れマークが続き、干ばつ被害が懸念されている。
干ばつ対策かん水は、被害の未然防止が目的。以前は、葉の黄化現象などの被害が出てから行っていたが、現在はそれでは遅いとし、早めに手を打つようになった。
給水所は沖糖と宮糖、宮古土地改良区が管理する18カ所を無料開放する。