宮古全域 かん水作業始まる/サトウキビ圃場
干ばつ被害低減へ/厳しい気象条件続く
干ばつ被害が懸念されるサトウキビ圃場へのかん水作業が24日、宮古全域でスタートした。梅雨明け以降少雨傾向にある宮古島地方だが、今後もまとまった雨は期待できない厳しい気象条件が続く。
宮古島地方気象台によると、宮古島地方は台風7号が通過した14日以降、雨が全く降っていないという。
向こう1週間も太平洋高気圧におおわれて晴れの日が多く、まとまった雨は期待できない。
このような気象条件を受けてかん水がスタートしており、1台当たりのかん水費用は3500円。市が2000円を補助、農家は1500円を負担する。
かん水量は1農家当たり10㌧トラック9台分(面積30㌃)を1巡目とし、2巡目以降は降雨の状況を見ながら判断していく。
作業の申し込みは、原料員(伊良部地区はトラック組合)が受け付け、かん水は宮古地区トラック事業協同組合が実施している。
かん水が始まった24日は各地の圃場で10㌧トラックによる作業が行われた。主に春植え、株出し圃場に散水し、弱ったサトウキビの回復を促進した。
製糖工場によると、夏植えのサトウキビは持ちこたえているものの、まだ根の張りが弱い春植えや株出しにダメージが見られることから、これらの圃場へのかん水を優先している。
今後は気象条件が大きな懸念材料になってくる。このまま雨が降らない状態が続くと、農業用水の貯水量など干ばつ対策に限界が見え始めるためだ。
宮古島市農政課の福里匡課長は「使用する水には限りがある。春植え、株出し圃場でのかん水を優先させてほしい」と促す。宮古土地改良区はスプリンクラーなどかんがい施設の適正利用を指摘。「かん水の曜日と適正なかん水量を守るように」と呼び掛けている。
今期のサトウキビは、12日の昼前から13日未明にかけて宮古島地方を暴風域に巻き込んだ台風7号の強風で梢頭部の折損や葉の裂傷被害を受けた。台風通過後は塩害も発生し、被害が大きい地域では19日からかん水が実施されている。