買取実績は55㌧、計画の半分/市いも生産販売組合総会
組合員から不満の声/過剰在庫で買い取らず
宮古島市いも生産販売組合(上地雅己会長)の第2回定期総会が15日、市上野公民館で開催され、2012年度の決算や実績報告などを承認した。同組合は紫イモの安定生産・供給を目的に昨年8月に設立。初年度は販売量120㌧を計画したが、実績はその約半分の55㌧に止まった。総会では「作ったけど過剰在庫を理由に買い取ってくれなかった」などと不満が噴出。1週間に1㌧程度の販売目標などを示した13年度の活動計画は認められず今後、役員会で詰めることになった。
同組合の組合員は、119人。総会は開催予定時刻を過ぎても、委任状を含めた定足数が過半数(60人)に達せず、成立が危ぶまれた。本人出席が30人と少なかったのは「組合への期待はずれの現れ」と組合員らは見ている。
質疑応答で、組合員の1人が「240㌔しか販売できなかったのは、見込み違いだった」と指摘。これに対し、市当局は「どこにどれだけ売ると、販売先が不透明の中で、組合員に迷惑を掛けている所がある」と述べ、作付け面積はしっかりした販売見通しに基づいて調整すべきだったとの反省を示した。
同組合員は「13年度の年間計画50㌧は、10人程度で生産できる」とも述べ、大人数の組合は要らないとの考えも示した。市当局は「いったん作った組合を、解散すると言えない部分がある。販路が拡大し軌道に乗るまで、互いに協力して頑張っていく必要がある」と述べ、理解を求めた。
別の組合員は「一部のイモは売れないので、捨てた。農家の努力を無駄にしないために、安定した生産販売体制を確立してほしい」と要望した。
福里匡農政課長は今後に向け「生産販売計画は植える人や植える時期を明確に示す形で、具体的に作成したい」と改善策を示した。
村吉順栄農林水産部長は「組合はイモを新しい作目に位置付けて、農業振興に役立てたいとの思いで設立した。初期の目的を達成するため、今後とも販路拡大を含めて支援していきたい」とあいさつした。
12年度の販売額は725万円で、計画の1560万円を833万円下回った。