来間中廃止議案、議会での判断仰ぐ
教育環境改善に統合必要/市教委臨時会
取り下げ要請応じず
4日開会の市議会9月定例会に提出予定の来間中学校を廃止する議案の取り下げ要請を来間地区の5団体から受けている市教育委員会(宮國博委員長)は2日、市役所城辺庁舎で臨時会を開き、要請について協議。出席委員はいずれも「教育環境改善のために統合は必要」との考えを示し、市当局に提案してもらい議会で判断を仰ぐことを決めた。委員会を傍聴した来間の住民からは「結論ありきの委員会」との批判が上がった。
要請を行ったのは来間自治会、来間幼小中学校PTA、来間老人クラブ、来間婦人会、来間島の未来を考える会の5団体。来間中学校を廃止するための議案について①「教育を受ける権利」を侵害している②地域住民、保護者、子どもたちとの合意形成がない一方的な決定-として取り下げを求めている。
同要請について佐平博昭委員長職務代理者は「下地中の授業を見て、より良い環境にするには統合が良いと、これまでの議論で結論付けた。後は市民の代表である議会に上げるべきと思う」。下地信輔委員は「より良い教育のために条件整備をしようとするもの。議案取り下げには疑問を持つ。ぜひ議会で審議してほしい」。佐和田貴美子委員は「4、5人よりたくさんの人数の中で切磋琢磨して育った方が良いというのが私の信念。後は議会にゆだねたい」とそれぞれが議案取り下げは行わず、議会で統合の是非について判断を求めるべきとの考えを示したことから、取り下げの要請には応じないことを決めた。
今委員会は来間住民5人を含む8人が傍聴。委員会終了後、傍聴していた来間自治会の来間得良会長は「作られたものを自分たちで議案として上げて合意しているだけ。地域の声を何も聞いていない。説明がまだまだ少ない」などと反発。それに対し宮國委員長は「合意には至っていないが、今後も合意を求めていく作業は進めていく。反対意見があることは認識している。委員会の統合計画が正しいかどうかは議会に判断してもらう」との考えを示した。
委員会終了後の話し合いの中で、要請文と併せて署名が提出されていることを知らずに今委員会に出席していた委員がいたことが明らかになり、住民側が委員会の不手際を批判した。
今委員会の結果について教育委員会が来間地区住民に伝える説明会は、きょう3日夕に開催する方向で調整が行われている。