小中学校の給食用牛乳「加工乳」に切り替え/宮古島市
生乳確保困難に/2学期から実施、伝達不足も
宮古島市立の全36小中学校の学校給食用牛乳が2学期から「加工乳」となっている。島内で必要な生乳を確保できないことが要因。県教育委員会によると、学校給食における加工乳は全県でも宮古島市のみ。市教育委員会は学校を通じて加工乳に切り替えたことを保護者に伝達しているが、行き届いていない地域もある。生乳100%の牛乳がいつ再開されるのかは未定だ。
宮古島市の学校給食用牛乳は、2001年から生乳100%となり、今年度の1学期終了時まで継続して提供されてきた。
ただ、今年は島内における搾乳量の減少で十分な生乳が確保できず、給食用牛乳の製造業者も学校への提供に苦慮。何とか供給を維持してきたものの6月には生乳不足に陥って沖縄本島から調達、7月には牛乳の代わりに乳飲料を提供する日もあったという。
暑さの影響で、毎年夏場の乳牛の搾乳量は減少するが、今年は製造業者が最低限必要する学校給食用の生乳を確保することができなかったとみられる。
このような状況を踏まえて県の学校給食会などの関係機関が宮古島市における牛乳について協議。最終的に「十分な搾乳量が期待できない」ことを理由に当面の加工乳対応を決めた。
従来通り生乳100%を提供できる時期は未定。生乳の安定供給が可能になるまでは、加工乳で対応せざるを得ない状況だ。
加工乳への変更は学校を通じて保護者に伝達されたとみられるが、変更を知らなかった保護者も多い。生乳100%にこだわって牛乳を飲む世帯も多いため市教委、学校側には一層の周知徹底が求められそうだ。
加工乳の件は、6日の市議会9月定例会の文教社会委員会の中でも取り上げられた。加工乳への変更理由を問われ、市教委は「宮古で生産される生乳の量の確保が困難になり、続けるのが厳しくなった」と回答して理解を求めた。
加工乳 加工乳は生乳(牛乳)を主原料とし、低価格の実現を目的として、脱脂粉乳、クリーム、バターなどの規定された乳製品を加え、消費者の嗜好に合わせて加工されたもの。