市伝統工芸館が起工/宮古上布の振興寄与
来年3月に供用開始
宮古島市(下地敏彦市長)は6日、上野字野原で「宮古島市伝統工芸館」の起工式を行った。宮古織物事業組合理事長の長濱政治副市長をはじめ工事関係者が工期中の無事故・無災害を願った。
総工費は一括交付金と市の持ち出し分約5340万円を含めた約2億6900万円。来年2月に完成、3月に供用開始する予定。長濱副市長は「伝統工芸の発展の核・拠点になる」と期待を込めた。
工芸館は、平良字西里にある宮古伝統工芸品センターの老朽化に伴い新築移転する。
市有地に整備される工芸館の敷地面積は2997平方㍍、鉄筋コンクリート造り平屋で延べ床面積1084平方㍍。施設内には、絣織室や藍染室、草木・染織室、検査室、織子養成室、多目的作業場、伝統工芸品展示室などが快適な環境で整備される。手すき和紙生産体験コーナーの原料は栽培苧麻。同コーナーでは和紙に親しみ、理解を深めてもらう計画。敷地内には、苧麻畑、藍畑、糸芭蕉畑を整備し、苧麻績みから機織りまでの一貫工程の充実を図る。
工事は設計・監理が大成設計事務所、施工の建築が古波蔵組、三協建設工業特定工事共同企業体、機械設備が吉田産業、電気設備が日進電気土木。
長濱副市長は「宮古島市伝統工芸館の建設がいよいよ開始された。宮古伝統工芸品センターは古くて雨漏りしているので、国指定の重要無形文化財の宮古上布が湿気で大変だ」と述べ、新施設の早期オープンに期待を寄せた。