来間中学校廃校条例案、賛成多数で可決
賛否同数で委員長裁決/市議会文社委
住民請願書も不採択
開会中の市議会9月定例会の文教社会委員会(佐久本洋介委員長)は11日、来間中学校の統廃合に向けた「市立学校設置条例の一部を改正する条例」について審議。与党4人が賛成、野党4人が反対の同数となり委員長裁決で可決となった。また、この日に一括審議となっていた来間自治会から提出されていた同中学校の存続を求める請願書についても、賛否は同様の構図となり委員長裁決で不採択となった。同問題については今後17日からの一般質問でも取り上げられるほか、25日の最終本会議で議会の判断が示される。
同委員会の判断を直接確認しようと来間の住民が傍聴に訪れ、議員の見解や意見に聞き入った。
議案の審議の前に住民代表2人に意見を述べる機会が与えられ「学校存続を求める住民の切実な声に耳を傾けてほしい」「市教育委員会は住民との約束を果たしていない」「住民の合意を得ないまま採択されるのは民主的ではない」などと訴えた。
住民からの請願の中で「市教委の一方的な廃校の決定は教育を受ける権利を侵害している」「海を隔てた学校への通学は精神的、体力的負担」などの主張に対して、与党議員からは疑問や質問が投げ掛けられるとともに、あらためて規模適正化による同校の統合の必要性が訴えられた。
一方の野党側からは「来間のほとんどの住民が反対しており、進め方も拙速で理解を得ようとの努力が感じられない。市教委の基本方針にはタイムスケジュールが書いてあるだけ。今は『足踏み』しても良いので住民の理解を得る努力をもっとすべき」と主張した。
具体的な統合推進の意見としては砂川明寛議員は「子どもが砂川中時代、男子生徒は8人しかいなかった。当時はバスケットが強くて8人のうち息子を含め2人だけバスケットボールクラブに入っていなかった。周りは朝から晩までバスケットの練習。息子は毎日午後4時に帰ってきて友達と遊ぶこともないし、やることもなかった。来間の皆さんにとっていろいろな問題はあるかもしれないが子どものことを考えたら統合はやるべきだと思う」と主張した。
議案上程の過程に問題があると主張する下地智議員は「市教委のこれまでのやり方は理不尽だと感じている。地域に対して丁寧な説明がなされていないし、説得する努力が足りない。話し合い、議論することがいろいろな諸問題を解決することになる。それをなくしてトップダウン方式でやるのは問題がある」との見解を示した。
条例改正議案、請願書に対する賛否の意見は平行線のままで、条例改正議案、請願書とも賛否は同数となり委員長裁決で改正議案は可決。請願書は不採択の判断となった。