行雲流水
2013年9月14日(土)9:00
「学校統廃合」(行雲流水)
来間中学校の廃校で新聞がにぎわっている。廃校は当局の横暴だと来間島の人々は非難する。市議会でも廃校問題を取り上げ反対する議員たちもいたが、11日の文教社会委員会で可決された。新聞の論調も廃校反対に傾いているようだが、反対の理由が地域の声を聴くべきだというのでは論としてはいささか物足りない
▼「治を知らざる者は、必ずいわく、民の心を得よと」政治を知らない者は、きまって民衆の心に従えというと。そのあとにこう続く、「民衆の知恵は用いるべきでない」古代中国の儒家思想を批判する法家思想だが、民衆が沈黙するはずがないし、統治者が引き下がることはない
▼故に、民衆と統治者の確執は人類史が始まって以来今日まで止まることはなく、激しい論争が繰り返されてきた。現代の民主主義社会では議会という民衆の代理人たちで論争に決着をつける
▼宮古島市の学校統廃合で賛否の論議があるのは当然であるとしても、少子・高齢社会では廃校を避けることはできない。児童生徒が極端に少なくなった学校を維持していくことは高齢社会にとっては困難だからである
▼全島まんべんなく広がっている宮古島の集落の数に見合う学校が必要だと考える人はいないと思うが、既存の学校を無くすということになれば住民反対が起こる。学校統廃合が、反対理由になっている「教育を受ける権利を奪う」ものではないし、住まいの近くに学校がないのは都合が悪いでは説得にならない
▼住民が高齢化して子供の姿が見えない地域での学校存続問題は宮古島に限った事ではない。いずれにせよ民衆を代表する議会の行方を見るしかあるまい。(凡)