西原方言の継承を/西辺中たまうつ講話
仲間博之さんが魅力語る
西辺中学校(饒平名和枝校長)の第7回たまうつ講話が19日、同校内で開かれた。「西原方言を訪ねて」をテーマに、元学校長で、学校法人加計学園広報室参与沖縄支局長の仲間博之さんが「たまうつ先生」を務め、西原方言の魅力を語りながらその継承を訴えた。
この日の講話は①地域の方言に関心を持ち、地域文化を理解する②言語学の観点から方言を学び、日本語との関係性および言語の歴史や変化を知る③言語文化を継承していこうとする態度を養う-ことが狙い。全校生徒41人が学んだ。
仲間さんは、中学1年生用の英語の教科書を使って授業を進めた。「私はサッカーが好き」「本当?私も好き」などと英語で記された部分を西原方言に訳して生徒たちに発音させた。
西原方言独特の細かいイントネーションも指導し、方言の奥深さと、この地域にしかない貴重な言葉の魅力を余すことなく伝えた。
生徒たちの中には初めて聞く方言もあって仲間さんの話を理解できない場面もしばしば。それでも自分たちが学んでいる地域の言葉に関心を示し、仲間さんの指導に従って方言の数々を夢中で吸収していた。
仲間さんは「方言、言語はいくつも知っているほうが良い」と指導。「自分のおじいやおばあには、『私、ぼくに話をするときは方言で話して』と言っておくように」と話し、方言を学ぶ環境の充実を促した。
「たまうつ」とは漁獲物を平等に分配する行為から生まれた方言で、知恵を分け与えるという意味が含まれる。西原では地域のおじいやおばあが「たまうつ先生」となり、生徒に貴重な歴史や文化を伝えている。