ホテル着工、再々延期へ/トゥリバー地区
環境変化で計画見直し/親会社が市に打診
平良港のトゥリバー地区の一部約13㌶を購入しホテル建設を計画している特定目的会社SCG15の親会社に当たるセキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメント(本社・東京)が市に対し、3度目となる建設着工期限の延期要請を打診していることが明らかになった。24日に開かれた市議会9月定例会一般質問で下地敏彦市長が棚原芳樹氏の質問に対し答弁。下地市長は要請に応じる考えを示した。
トゥリバー地区のホテル建設用地約13㌶は、2007年11月にSCG15へ40億円で売買された。当初の契約では2年以内の着工、5年以内に営業開始となっていたが、08年12月に同社が世界的な経済情勢の悪化などを理由に着工と営業開始期限の2年間延期を要請、市もこれを容認した。さらに11年10月、同年3月に発生した東日本大震災などの影響を理由に同社が2年間の再延長を申し入れ、市がそれを受け入れていた。
市建設部港湾課によると、3度目の延長要請は今年6月、セキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメントから電話で打診を受けたという。下地市長は今回の延長要請の理由について「当初の開発計画策定時と事業を取り巻く環境が変化していて開発計画の見直しの作業を今、進めているということ。このような大規模開発プロジェクトでは基本設計の策定、設計、ホテルオペレーターや各種コンサルタントの選定、金融機関との交渉などに時間を要し、着工までには1年半から2年程度の時間を要し、(今年)11月8日までの工事着工は困難な状況にあり、着工期限の再延長を申し出ている」と説明した。
議会終了後、マスコミの取材に応じた下地市長は、再々延長要請について「認めざるを得ないと考えている」と要請に応じる方針を表明。市が土地を買い戻し別の買取先を探すことについては「全く考えていない」と明言した。
延期期間などについては今後、市と同社で協議し、11月8日までに正式な手続きを行うことになる。同社は打診の中で「最低でも2年は必要」との見通しを示していることから、最短でも2015年着工、18年営業開始となる見込み。