アルコール依存症疑い4000人
飲酒の実態調査結果報告/宮古福祉保健所
「宮古では酒やビールを週に4日以上飲む人は17・2%。オトーリの機会が多く、飲酒する際は男性の71・0%がビール500㍉3本(6ドリンク)以上を飲む。アルコール依存症疑いのある人が4000人以上いる(推測)」-。宮古福祉保健所(仲宗根正所長)が25日に開いた「宮古地域における飲酒の実態調査中間報告」で、そんな結果が明らかにされた。宮古では酒を飲む機会や飲酒量の多さがうすうす知られていたが、数字で明確に示したのは初めて。調査の結果は、アルコール関連問題の改善に役立てる方針だ。
同実態調査は運転免許更新受講者を対象に、県警安全運転学校宮古分校で昨年7月から今年1月末まで行った。
調査ではオトーリは好きではないが、「付き合いでする」と考えられる人が多いと推測。飲酒の強要は急性アルコール中毒の危険性があるとして、オトーリ強要の改善を求めた。
飲酒頻度は60代で、「1週間に4回以上」の割合が27%と高い。「毎日、あるいはほとんど毎日」の割合は、60代で12・3%と最も高く、晩酌する高齢者の多さがうかがえる。
20~50代の6割以上では、ビール500㍉3本以上の多量飲酒の人が多かった。
中間報告をした同保健所の知花誠さんは、酒の飲み過ぎが肥満や高血圧、糖尿病などの成人病を引き起こす原因になっていると指摘。酒に絡む社会問題の深刻さも示した。
12年度の県内の飲酒運転検挙件数は1435件で、うち宮古は107件。人口千人対比で見ると県全体の1・0件に対し、宮古は2・0件と割合が高い。路上寝通報件数の人口千人対比も県全体6・3件に対し宮古が13・8件と約2倍の割合だった。
08~12年まで5年間の補導人数に占める飲酒補導の割合は県平均の4%に対し、宮古は7~15%と2倍以上だった。
同所は「アルコール関連問題については今後、関係機関や団体などが役割を担い地域全体で対策に取り組む必要がある」と展望を示している。
中間報告に次いで琉球病院の福田貴博氏が、アルコール関連問題対策について話した。酒を飲み過ぎない対処法については①おなかを満たす②ストレスをため込まない③家族や友人らと楽しく過ごす④上手に酒を断る方法を身に付ける-などを示した。