株出管理機を有効利用へ/反収向上目指す
きび管理組合を設立
2013年産キビの株出面積が約4割(1390㌶)に達した中、株出管理機の有効利用による増産(反収アップ)を目的に宮古地区さとうきび管理組合が27日、設立した。組合員は宮古と多良間島のオペレーターや製糖会社、農業法人など54の個人団体。組合長には、前里孝清氏を選出した。
組合に加入する管理機は54台(宮古52台、多良間2台)。宮古地区糖業振興会が、今年3月に25台(宮古23台、多良間2台)導入し、一気に増えた。
組合の事務局は、JA宮古地区営農振興センター・さとうきび対策室に置き、利用の申し込みや管理機利用を迅速に行える仕組みにした。
これまでは管理機が少なく、利用申し込み先も周知されないなど、急増する株出面積に対応する体制が整っていなかった。
主催者あいさつで新城武一郎JA宮古地区本部長は、組合を通した株出の早期管理で反収が増え、生産目標38万㌧の早期達成ができると強調した。
前里組合長は「農家の期待に応えるべく、早期管理による反収向上に努めたい」と決意を新たにした。
前田幹男県宮古農林水産振興センター所長は、組合設立を機に株出管理機をはじめ、各種農業機械が効率的に運用されることに期待を込めた。
村吉順栄市農林水産部長は「株出は面積が増えても、低反収では大きな所得向上は望めない」と反収増の重要さを示した。
株出複合管理機では①株を同じ高さに切りそろえる株そろえ②畝の中央に深さ10㌢ほどの切り込みを入れる「株割り」③肥料や農薬、除草剤散布―などの作業を同時に行える。使用料は10㌃当たり4000円。早期管理では、成長が早まり反収が増える。
宮古のキビ作型は1979年まで株出が、5割程度を占めていた。その後、塩素系農薬の使用禁止により土壌害虫がまん延し、激減した。近年は土壌害虫の駆除に伴い株が増え、2005年に2・2%だった株出面積の比率は13年産は38%と一気に増えた。
役員は次の通り。(敬称略)
会長=前里孝清▽副会長=平良繁男、下地博敏▽運営委員=砂川勇人、塩川清、松長和彦、運天満、伊良部博昭、下地克三、国仲正人▽監事=仲里長造、島尻敏男