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美ぎ島net
2013年9月29日(日)9:00

忘れても生きている心/「認知症家族会みやこ」

9月は世界アルツハイマー月間。家族会と市地域包括支援センターの職員がうちわとチラシの配布を市内14カ所で行い、市民への周知を図った

9月は世界アルツハイマー月間。家族会と市地域包括支援センターの職員がうちわとチラシの配布を市内14カ所で行い、市民への周知を図った

 生後、正常に発達したもろもろの精神機能が加齢と共に慢性的に減退、消失することで、日常生活、社会生活が普通に営めなくなることを「認知症」と呼んでいる。近年、若年性認知症は18歳~44歳を若年期と呼び、45歳~64歳を初老期と呼んで年々増える傾向にある。中でも認知症高齢者は全国462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で分かった。原因疾患は、1980年まで脳血管性が最多とされたが、近年の疫学研究では、アルツハイマー病が最も多いとする傾向にある。家族の会や福祉行政では、こうしたことを捉え、おかしいと思ったらいち早く、相談に来てほしいと呼び掛ける。

 家族にこうした高齢者などをもつ市民でつくられた認知症家族会みやこ(長浜隆会長)は2011年に結成され、宮古島市地域包括支援センター(来間弘子所長)と連携して活動する。家族が精神的苦痛を一人で抱え込まないために研修会や懇談会を開き、お互いの情報を共有するなどの活動の中から協力者を増やしていきたいとしている。現在、会員は12人、賛助会員は1団体。年間の活動は、毎月の理事会と定例会で決められ、研修会、懇談会、一般周知のためのパンフレット作成、街頭案内、パネル展など。大きな目標は「現認知症家族のサポート」「認知症予防」「若年性認知症の予防」など。9月21日の「アルツハイマーデー」では街頭キャンペーンでパンフレットなどを配布して、市民への周知を図った。事務局=73・3854(竹井)/76・2430(羽地)

家族会の結成促す/理事の竹井太医師
将来、認知症支援センターを


医師の立場から、社会全体の問題として早急に取り組まなければならないと話す竹井さん

医師の立場から、社会全体の問題として早急に取り組まなければならないと話す竹井さん

 市内で診療所を開設する竹井さんが、来院する患者を見ていて、認知症と思われる高齢者が増えてきたと感じ始めたのは5年前から。ところが当時は行政でも地域包括支援センターができたものの、ほとんど機能していなかった。第1回のフォーラムをマティダ市民劇場で開いたのは2008年。ソニーがバックアップして伊良部島、多良間島、三重県、宮古支援団体をITでつなぎ、それぞれの現状を映像で報告しあった。約500人の参加があり、関心の高さを知ることができた。

 それから徐々に市民の意識を高め、11年、家族会結成にこぎつけた。現在、かかりつけの病院として県指定のサポート医を務める。市内に2人だけ。「おかしいと思ったら早期に医療機関につなげてほしい。そうすることで課題が見え、次のステップに踏み出せる。特に若年性認知症は進行も早いし、家族の負担が大きくなる」と話し、「認知症ケアウオッチ手帳」や「若年性認知症を支える家族会」の結成など、さまざまな提案を試みている。将来は認知症支援センターの実現に希望を託す。

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