「路上寝」取締強化/宮古島署
5万円以下の罰金/悪質常習者には適用も
酒を飲んだ帰りに歩道や車道でうとうとと寝込んでしまう「路上寝」。実はこの行為、道路交通法の禁止行為に当たり、5万円以下の罰金が科される場合がある。宮古島市内では、今年1月から8月末までに479件発生しているが、宮古島署は「警告書」の発行にとどめて罰金は科していない。ただ、路上寝は事件や事故を誘発する原因の一つ。同署は「常習者については考えないといけない」としており、悪質な路上寝行為を繰り返す常習者に対しては罰則の適用を検討している。
8月末までの路上寝件数は前年とほぼ同じ。依然として県内他地区に比べて多いのが現状だ。2012年度路上寝通報件数の人口千人対比は県全体の6・3件に対し宮古は13・8件と約2倍の割合となっている。
ただ、ここ10年の間に検挙された人はいない。通報で駆け付けた警察官が起こしたり、保護したりして対応してきた。それでも路上寝の件数は微減か横ばいのまま。宮古島署は新たな対策として昨年から「警告書」の発行を始めた。警告書には路上寝の日時や場所を記した上で「事件事故に巻き込まれる可能性が非常に高い危険な行為」と指摘。「今回に限り、警察官が起こして指導するが、二度と路上寝をしないよう警告する」と表記し、罰則の内容も並記して注意を促している。
警告書の発行によって路上寝は減少傾向にあるものの、路上寝はひき逃げなどの交通事故、窃盗の被害に遭うケースがあるため一層の抑止が必要だ。宮古島署では「常習者に対して(罰則を)検討するのは当然のこと」としており、道路交通法に沿って的確に対処していく考えだ。