宮古地区事業所 健康診断有所見率47%/県と比較し低い
50人未満事業所に初アンケ/労基署
宮古労働基準監督署(南隆功署長)は1日、宮古地区における労働者50人未満の事業所に対し実施した健康づくりの取り組み状況のアンケート結果を発表した。それによると、定期健康診断の有所見率は47%で、50人以上の事業所や県と比較すると低かった。同署では宮古島市の男女とも肥満やメタボリックシンドロームの割合が県内で高く、平均寿命も短くなっていることを指摘。「有所見率は低いが油断してはいけない。特に中高年の健康管理は十分に留意してほしい」と話している。1~7日までは、快適な職場環境づくりや生活習慣病、健康増進について理解を深める全国労働衛生週間。
アンケートは、これまで労働者50人以上の事業所を対象に実施したことはあるが、50人以下の事業所を対象に実施したのは初めて。516事業所から219事業所(38%)の回答があった。
有所見率を産業別で見ると、最も高いのは貨物運送事業64・8%、次いで金融・清掃・教育等のサービス業54・7%、ホテル・飲食業48・6%。
低いのは商業34・6%、交通運輸事業40・0%となっている。
健康教育(講演会など)や健康相談などを実施している事業所は、回答を寄せた219事業所中100事業所(46%)にとどまった。
産業別では商業や第一次産業、ホテル・飲食業は20%台と低く、製造業と建設業はともに50%だった。
南署長は「有所見該当者が次回の健康診断までに改善されるよう保健指導などを受けた個々の労働者の取り組みをフォローする体制づくりが重要である」と説明。職場における健康教育は、効果が上がりやすいと言われていることから「宮古福祉保健所や宮古島市と連携してさらなる効果を上げていきたい」と述べた。
有所見者と診断された該当者は、食生活の改善や運動などに取り組むが、多くはしばらくすると普段の生活に戻ってしまうのが現状。
南署長は「会社ぐるみで心の健康の保持増進を図る環境づくりをし、個々の労働者の意識を高め行動に結び付けるような取り組みが必要」と指摘した。