協働で課題の解決を/田尻さんが「地域づくり」講演
2013年度の宮古島市地域づくり支援事業の一環として11日、「プラス思考で地域づくり」と題した講演会が市内のレストランホールで行われた。日本NPOセンターの田尻佳史常務理事が市民らを対象に「新しい地域社会をつくり出す参加・協働の在り方」について講話した。
田尻さんは「これまでは中央集権で地域の自治体などには補助金や交付税の形で財源が再分配されてきた。これに伴い、行政が提供するサービスも画一化したものだった」と指摘した。
さらに、「今後は地方分権への時代になり、行政が提供するサービスも変化する。この行政サービスの変化により、市民は自分に適したサービスを提供する地域社会を選択する時代に移行する」と説明した。
サービスの選択肢が多い社会は豊かな社会とみることができる。今後、地域社会が変化する中で、その地域のサービスの創出や課題の解決を市民、行政、企業が協働して進める時代に移行すると話した。
「協働作業に市民が参画する上で、『このようなサービスがあれば』などの個人の思いを伝え、賛同する人たちでサークルをつくり、活動を始め、NPO(非営利団体)に発展させることで、継続することができる」と、田尻さんはNPOとしての協働の方法などを説明した。
また、行政と協働作業をするNPOの姿勢として▽行政に依存せず、精神的に独立している▽NPOならではの関与によって、協働事業の質を向上できるような専門性・特性を持つこと▽契約にあたって対等な立場で交渉する力を付けること-など8点を挙げた。
市生活環境部の平良哲則部長は「市が合併して8年。これからは行政と市民が協働して地域の発展や課題解決に取り組むことも必要になってくる。きょうの講演を今後の皆さんの活動に役立ててほしい」とあいさつした。